1997 Fiscal Year Annual Research Report
超短赤外パルスを用いるポンプープローブ法による吸着水素のダイナミクス
Project/Area Number |
08640637
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (20202418)
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Keywords | 表面吸着種 / ピコ秒赤外パルス / ポンプープローブ / 時間分解分光 / ゼオライト / 水酸基 / 振動エネルギー緩和 / 分子内緩和 |
Research Abstract |
ゼオライト上表面水酸基と水分子の吸着を取り扱い、吸着した水分子のうちゼオライト水酸基と相互作用していないO-H結合を振動励起し、その振動寿命の温度依存性を測定した。その結果、ゼオライト酸性水酸基自身の振動励起寿命の温度依存性と比べ、吸着水分子は非常に異なった依存性を示すことが明らかにした。得られた振動励起寿命の温度依存性をNitzan and Jortnerのモデルによって解析した結果,吸着水分子の振動緩和はゼオライト水酸基と相互作用しているO-H結合への分子内での振動エネルギーの移動ならびに80cm^<-1>程度のフォノン2量子を励起することにより行われることが示唆された。 さらに,重水素置換したゼオライト上表面水酸基に吸着したD2O分子において、吸着重水分子のうちゼオライト水酸基と相互作用していないO-D結合を振動励起させた時に過渡スペクトル上に観測される複数の過渡的なバンドについて研究を行った。その結果,得られた過渡的なバンドは,表面吸着種の分子内振動緩和の結果現れたホットバンド及びコンビネーションバンドであることを見出した。ゼオライト水酸基と相互作用していないO-D結合の振動励起寿命が約43psであったのに対し,コンビネーションバンドの寿命は15ps以下と著しく短いことを見出した。また,得られたdecay profileを綿密に検討した結果,緩和速度の違う二種類の水酸基の存在を明らかにした。これらはゼオライト中での環境の違う二種類の水酸基(large cage及びsmall cage中水酸基)と対応させることで解釈されることを示した。
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[Publications] T.Fujino, A.Wada, et al.: "Transient Absorption spectra of Vibrationally Excited Water Molecule on Zeolite Surface" Laser Chemistry. (in press).
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[Publications] K.Domen, A.Wada, et al.: "Direct Observation of Short-lived Unstable Surface Species by Tunable Picosecond Infrared Pulses" Applied Surface Science. (in press).
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[Publications] K.Domen, A.Wada, et al.: "Picosecond Vibrational Dynamics of Adsorbed D20 on Bronsted Acid 0D Group in a Zeolite" Surface Science. (in press).