1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅本 宏信 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (80167288)
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Keywords | 亜酸化窒素 / 二光子光分解 / 前期解離 |
Research Abstract |
亜酸化窒素は酵素原子や窒素原子のソースとなりうることから、その光分解過程は古くから研究されてきた。1991年、236nm付近の二光子励起スペクトルの測定が行われ、遷移によって生成する電子状態や振動状態の帰属が行われた。しかし、光吸収と同時に起こっていると考えられる光分解の生成物の同定には至っていない。本研究では、亜酸化窒素を真空チャンバー内に噴散させ、そこに235から240nmのレーザー光を集光して照射し、その際生成する生成物を共鳴多光子イオン化法により同定した。 レーザー光の照射によってN_2Oの一部は共鳴三光子イオン化過程によって3Pσ^1 II状態を経てN_2O^+となる。また、一部は二光子吸収の後、前期解離し、N+NOやN_2+Oが生成する。one colorの実験では、主に共鳴三光子過程によって生成するN_2O^+を検出した。また、two colorの実験では準安定状態の窒素原子N(^2D)や振動励起の一酸化窒素を共鳴多光子イオン化-質量分析法によって検出した。N(_2D)をモニターしながら励起波長を掃引した場合のスペクトルとNOをモニターした場合のスペクトルはほぼ同じであった。一方、one colorでN_2O^+をモニターしながら励起波長を掃引したたスペクトルでは、変角振動を励起した場合のスペクトル強度が他のモードを励起した場合い比べて弱かった。これは、N_2Oの3Pσ^1 II状態の前期解離の起こり易さを反映している。すなわち、変角振動の励起により前期解離が促進されること、解離性の状態がCs対称の非直線型であることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.UMEMOTO: "Mass-selected Detection of N(^2D)by Resonance-enhanced Multiphoton Ionization Following Two-photon Dissociation of No" J. Chem. Soc. Faraday Trans. 92・8. 1315-1318 (1996)
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[Publications] H.UMEMOTO: "Production of NH (ND) Radicals in the Reactions of N (2^2D)with H_2 (D_2) : Nascent Vibrational Distributions of NH and ND" J. Chem. Phys.,. 104・23. 9640-9643 (1996)
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[Publications] H.UMEMOTO: "Deactivation of Cd(5^3P_J) byH_2 and D_2:Branching Ration for the Production of CdH and CdD" Bull. Chem. Soc. Jpn.,. 69・8. 2185-2189 (1996)
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[Publications] H.UMEMOTO: "Production of NH (X^3Σ^-) Radicals in the Reactions of N (2^2D)with CH_4 : Nascent Rotational and Vibrational Distributions of NH" Chem. Phys. Lett.,. 264・1,2. 215-219 (1997)
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[Publications] H.UMEMOTO: "Nascent Rotational and Vibrational State Distributions of NH(X^3Σ^-)and ND (X^3 Σ^-) Produced in the Reactions of N(2_2 D)with H_2)with H_2 and D_2" J. Chem Phys.,. (印刷中).