1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (80197459)
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Keywords | 準安定相 / アモルファス氷 / 相転移 / 相図 |
Research Abstract |
計算機シミュレーションの結果に基づいた新たな相図を提案した。そして、HDA-LDAの臨界点の位置が負の圧力領域に移され、LDA(Water II)と過冷却水は大気圧下では異なる相であると考えられる。水は相転移を経てLDAになる。この相転移はfragileからstrongへの転移を伴い、これまでに観測された実験事実とも矛盾がない。熱力学量の発散は、臨界点の存在とスピノ-ダル不安定化により説明され、T_3が圧力と共に負の方向に移動している実験事実とも一致している。 ポテンシャルエネルギーの場合とは異なり、高圧では密度の不連続性は大きくなる。一方、負の圧力では密度の温度依存性は見られない。これらの結果は、高圧から大気圧までは異なる二相の液体があり、高温側では高密度相また低温側では低密度相が安定であることを意味している。前述のように、実験的にも低密度と高密度のアモルファスの相平衡は観測されている。大気圧での相平衡も、この実験的に確認された高圧での液液の相平衡の低圧側への延長と考えればよい。またこの液液平衡はいずれの相も対称性を持たないことから、気液平衡の場合と同様に臨界点を持つと予想される。大きな負の圧力では単一の相のみが存在することは、ポテンシャルエネルギーや密度の結果から明らかであろう。そこで臨界点は浅い負の圧力領域にあることが支持される。はいずれの相も対称性を持たないことから、気液平衡の場合と同様に臨界点を持つと予想される。大きな負の圧力では単一の相のみが存在することは、ポテンシャルエネルギーや密度の結果から明らかであろう。そこで臨界点は浅い負の圧力領域にあることが支持される。
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Research Products
(1 results)