1997 Fiscal Year Annual Research Report
電荷移動反応と媒質モードとの量子力学的結合に関する理論的研究
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08640660
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Research Institution | INSTITUTE FOR FUNDAMENTAL CHEMISTRY |
Principal Investigator |
長岡 正隆 財団法人基礎化学研究所, 主任研究員 (50201679)
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Keywords | 化学反応分子動力学法 / 確率微分方程式 / 溶媒効果 / 一般化Langevin方程式 / 古典量子結合系 / 非平衡分布 / 非平衡定常状態 / 緩和過程 |
Research Abstract |
本基盤研究(C)では凝縮系の前ハミルトニアンを仮定した上で溶質-溶媒間相互作用に任意の非線形性を認めて、電荷移動反応速度定数を定式化し、数値計算により実験値と比較する事を最終目標においた。平成9年度の研究活動は、凝縮系の電荷移動反応のような、量子論的自由度と古典論的自由度が混在している古典量子結合系の振動非断熱性を見積るために、前年度に提案・定式化した運動方程式に基礎をおいた量子化法を用いて、振動非断熱性によって引き起こされる非平衡性と反応エネルギーの集中と散逸的移動との数値的取り扱いを実行した。 (1)文献調査と実際的な問題設定: 平成8年度までの研究をもとに理論・実験両面から調査して、従来の取り扱いの問題点を把握し、本理論での数値予測と比較すべき凝縮系における電荷移動反応に関する関連論文を検討した。 (2)古典量子結合系の運動方程式に基づく量子化法: 前年までに提案・定式化した凝縮系の化学反応量子動力学を対象とする運動方程式に基づく量子化法をさらに発展させた。本方法では量子力学的揺動に支配された確率微分運方程式を導入した。最終年度である本年度は、まず前半で本理論を数値的に実証するため、昨年来開発してきた汎用性コンピュータ・プログラムを本予算で購入したUNIXコンピュータ等を利用して実行した。年度後半には振動非断熱性を直接取り入れる事のできるプログラム・コードを用いて、非平衡統計力学的見地から見た理論的枠組みの妥当性を数値的に吟味した。本研究で得られた成果を数理解析研究所研究会での依頼講演や第73日本化学会秋季年会などで報告した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長岡正隆: "凝縮系の化学反応と確率数値解析-複素時間形式の確率過程量子化におけるLangevin方程式-" 数理解析研究所講究録. 1032. (1998)
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[Publications] Masataka Nagaoka: "On the Origin of Transition State on Free Energy Surface:Intramolecular Proton Transfer Reaction of Glycine in Aqueous Solution" Journal of American Chemical Society. (印刷中). (1998)
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[Publications] Masataka Nagaoka: "Transition State Optimization on Free Energy Surface:Toward Solution Chemical Reaction Ergodography" International Journal of Quantum Chemistry. (印刷中). (1998)
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[Publications] Masataka Nagaoka: "Potential Energy Function for Intramolecular Proton Transfer Reaction of Glycine in Aqueous Solution" Journal of Physical Chemistry. 102. (1998)
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[Publications] Masataka Nagaoka: "On the Hydronium Ion Catalyzed Mechanism in Vinyl Alcohol-Aeetaldehyde Isomerization:Ab initio Molecular Orbital Theory and Monte Carlo Simulation" Journal of American Chemical Society. 119. 8023-8030 (1997)
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[Publications] Masataka Nagaoka: "A Dividing Surface from a Barrier Recrossing Motion in Many-Body Systems" Chemical Physics Letters. 265. 10838-10848 (1997)