1996 Fiscal Year Annual Research Report
テクネチウムおよびレニウム錯体の配位子置換反応速度定数比と置換活性度との関係
Project/Area Number |
08640708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大森 巍 静岡大学, 理学部, 教授 (80004349)
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Keywords | テクネチウム(VI)ニトリド錯体 / レニウムチオ尿素錯体 / 溶媒抽出機構 / 加水分解反応機構 / テトラフェニルアルソニウム塩化物 / 3,5-ジクロロフェノール |
Research Abstract |
本年度は、テクネチウムおよびレニウムについての基本となる錯体を選択し、それらの化学的性質についての基本的知見を得ることを目的とした。テクネチウム錯体に関しては、種々のテクネチウム(V)およびテクネチウム(VI)錯体合成の出発物質であるテトラクロロニトリドテクネチウム(VI)酸イオンを、レニウムに関しては、ヘキサキスチオウレアレニウム(III)を選択し、以下の実験を行った。 1.ヘキサキスチオウレアレニウム(III)イオンの加水分解反応機構 ヘキサキスチオウレアレニウム(III)イオンは、このテクネチウム錯体ト比べるとかなり安定であるが、水溶液のpHの増加に伴って、加水分解速度は大きくなる。また過剰のチオ尿素が存在しないと、加水分解反応が促進されることを見出し、分解速度の解析より速度定数を求め、加水分解機構を確立した。 2.テトラクロロニトリドテクネチウム(VI)酸イオンのテトラフェニルアルソニウムイオンによる溶媒抽出機構 テトラクロロニトリドテクネチウム(VI)酸イオンにおけるTc≡Nのトランス位は通常有機溶媒中では空位となっているが、トランス位に配位可能な中性分子が存在したときのテクネチウムの分配比に及ぼす影響について検討した。中性分子として,3,5-ジクロロフェノール(3,5-DCP)に着目し,テトラクロロニトリドテクネチウム(VI)酸イオンをテトラフェニルアルソニウム塩化物(TPAC)によりクロロホルムに抽出したが,期待された分配比の増大は認められず,3,5-DCPのトランス位への影響はなく,むしろTPACと3,5-DCPとの会合体形成によりテクネチウムの分配比が減少することを明らかにした。
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