1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640716
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 正文 熊本大学, 薬学部, 教授 (50080180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 博雅 熊本大学, 薬学部, 助手 (70234599)
森 弘正 熊本大学, 薬学部, 助教授 (40040315)
|
Keywords | 鉄錯体 / 酸化 / 脱水素 / ブレオマイシン / 炭素-炭素結合 / 1,3-ジイミン |
Research Abstract |
研究計画に沿って3つの課題について研究を行った.以下にその結果の概要を記す. a.配位子脱水素反応へ及ぼす配位子及び配位構造による制御 トリシアノ(ジエチレントリアミン)鉄(II),鉄(III)錯体を調製しその配位子脱水素反応を検討した.その結果これらの錯体はfac-異性体であること,そのためとくに鉄(III)錯体において塩基性溶液中では,ジエチレントリアミンの二級アミン部位で脱プロトンは起こるが,立体的制約のため隣接炭素からの脱水素または脱プロトンが円滑に進行しないことが判明した. b.ブレオマイシンモデル鉄錯体の構造・反応性 ブレオマイシンのβ-アミノアラニン部位にメチル基を導入した配位子を調製した.それらの銅(II)錯体のX線結晶構造解析から,メチル基数の増加とともに四角錐構造から三角両錐型への変化が起こることがわかった.またそれらの鉄(III)錯体の単離が達成された. c.鉄に支援されるニトリル,酸素等の鉄・配位子間架橋反応 1,3-ジイミン部分を包含する2-アミノメチルピリジン,アセチルアセトンから由来する4座配位子をもつ鉄(II)錯体を単離した.この錯体を種々のニトリルに溶解し,塩基触媒としてトリエチルアミンを加えるとニトリルと4座配位子間で炭素-炭素結合を生成し一群の新規5座配位子をもつ錯体が生成することがわかった.また4座配位子の配位したビスアセトニトリル鉄(II)錯体,ニトリル付加した5座配位子の配位した鉄(II)錯体のX線結晶構造解析で構造を確認した.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Masafumi Goto: "Synthesis of an iron(II) complex versatile for preparation of iron(II) complexes with novel pentadentate ligands via C-C bond formation with various nitriles : 1,3-dimethyl-1,3-propanediylidenbis (2-pyridiylmethanamine) iron(II) perchlorate" Chem.Commun.(in press).