1996 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドアンビルによる高圧下光伝導スペクトルの測定
Project/Area Number |
08640746
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松崎 晋 熊本大学, 理学部, 教授 (00109638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 弘 熊本大学, 工学部, 教授 (20170037)
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Keywords | 有機結晶 / 有機薄膜 / 圧力依存性 / バンド構造 / ギャップ内局在準位 / 交流光伝導 |
Research Abstract |
高圧下における電気物性の測定は電導機構を解明し、新しい電導材料を開発するために欠かせない情報をもたらす。当研究室では、電導性固体の光学スペクトルやX線回析等を高圧下で測定し、構造や物性の変化を追って来たが、特にダイヤモンドアンビルを使った電導度測定法を開発することに成功し、現在、光学物性および電気物性の同時測定法を開発中である。本研究では、高圧下における光伝導スペクトルの測定法を確立すると共に、数種の有機結晶および有機薄膜の光伝導スペクトルの圧力依存性を測定し、バンド構造やギャップ内局在準位に及ぼす圧力の効果を調べることを目的とした。真空蒸着装置を使ってフラーレンや銅フタロシアニンの薄膜を、ダイヤモンドアンビルのキュレット面上に形成し、マスクをかぶせて、その上から金を真空蒸着して、櫛形電極を形成した。上記の櫛形電極にリ-ド線を取り付け、表面に絶縁皮膜を形成したステンレスガスケットをかぶせ、フルオロカーボンを圧力媒体としてガスケットの穴の中に満たし加圧した。キセノンランプの光を分光器で分け、チョッパーを通した後、ダイヤモンドアンビル中の加圧された薄膜表面に照射した。発生した光電流をプリアンプで増幅した後、ロックインアンプに入れ、加圧した状態で、交流法によって光伝導スペクトルを測定した。しかしながらノイズが多く、確実なスペクトルは、現在のところ得られていない。今後、膜厚を変えたり、膜と電極の接触方法を改良することで、良質のスペクトルが得られるものと期待される。
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