1996 Fiscal Year Annual Research Report
光励起法によるゼオライト中の窒素特異吸着サイトの状態解析
Project/Area Number |
08640750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 泰重 岡山大学, 理学部, 助教授 (40116455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 眞彦 岡山大学, 理学部, 教授 (30032816)
吉川 雄三 岡山大学, 理学部, 教授 (30022643)
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Keywords | 窒素特異吸着 / ゼオライト / 光励起 / XAFS |
Research Abstract |
ゼオライト中に存在するナトリウムイオンを銅イオンでイオン交換することができ,その際,化学量論から予想される量より多量の銅イオンでイオン交換した試料を調製することができる.この試料はNO_x分解触媒として有効であることがよく知られている.我々は,この化学量論から予想される値より過剰にイオン交換した銅イオン交換モルデナイトを真空中873Kで処理した試料が,300Kで窒素分子を強く物理吸着することを見いだした.室温で強く窒素分子を吸着する物質はほとんど見いだされていないので,この試料の性質は特筆すべきものである.しかし,その吸着サイトに関する知見はほとんど得られていないのが実状である.このサイトの構造,反応性を明らかにすればより効率的な触媒をデザインできる可能性がある.さらに,室温で窒素を吸着する特性を有するこの試料は,窒素の固定,分離,活性化など(たとえば,アンモニア合成など)の触媒として使用できる可能性もあり,その点からも興味ある物質であると期待できる. 本研究では紫外線励起を利用した蛍光スペクトル測定,XAFS,IR,ESRスペクトル測定および熱測定によって,窒素を強く物理吸着するサイトの状態を明らかにしようとした.この際,Cu(I)と選択的に相互作用すると考えられるCOをプローブ分子として用い,Cu(I)の状態を解析した.その結果,この試料を熱処理することによって,モルデナイト中にCu(I)種が形成されること,しかも,Cu(I)のサイトが二種類存在し,その内の一方が窒素の特異吸着サイトとして有効であることを明らかにした.今後はこれらのCu(I)のサイトの電子状態,構造を分子レベルで明らかにする予定である.
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[Publications] Y.Kuroda et al.: "Dielectric Behavior in the Y_2O_3-H_2O System at Lower Temperatures : In Comparison with Desorption Phenomenon of Adsorbed H_2O in the SrF_2-H_2O System." Langmuir. 12・5. 1399-1401 (1996)
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[Publications] Y.Kuroda et al.: "Characterization of Active Sites on Copper Ion-exchanged Mordenite for Dinitrogen Adsorption by Using CO as a Probe Molecule." Journal of Physical Chemistry. 101(in press). (1997)
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[Publications] Y.Kuroda et al.: "Stabilization of Copper Metal Clusters in Mordenite Micropores : Water Treatment of Evacuated Copper Ion-Exchanged Mordenite at 300K." Journal of Chemical Society.,Favaday Transactions. 93(in press). (1997)