1996 Fiscal Year Annual Research Report
面性不斉をもつピリジノファンを活用する不斉合成反応の研究
Project/Area Number |
08640756
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
浅見 真年 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20134439)
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Keywords | ニコチンアデニンジヌクレオチド / 面性不斉 / ピリジノファン / 熱分解反応 / ジチアファン / 脱硫反応 |
Research Abstract |
生体内反応を規範とする選択的合成反応の開発を目的として、生体内での多くの酸化還元反応に関与する補酵素であるニコチンアデニンジヌクレオチド(NAD)のモデル化合物として、面性不斉をもつ8-エトキシカルボニル[2]パラシクロ[2](2,5)ピリジノファンを設計し、その合成について検討を行った。 まず、3-エトキシカルボニル-2,5-ジメチルピリジンとN-プロモコハクイミドとの反応により、2,5-ビス(ブロモメチル)-3-エトキシカルボニルピリジンを合成し、エタノール中高希釈条件下、1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼンから得られる1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼンと炭酸カリウムを塩基として用い縮合反応を行うことにより、9-エトキシカルボニル-2,11-ジチア[3]パラシクロ[3](2,5)ピリジノファンを収率50%で合成した。得られたピリジノファン誘導体を、亜燐酸トリメチル中6時間300Wタングステンランプを照射することにより、目的の8-エトキシカルボニル[2]パラシクロ[2](2,5)ピリジノファンが42%の収率で得られた。また、9-エトキシカルボニル-2,11-ジチア[3]パラシクロ[3](2,5)ピリジノファンにエタノール中メタクロロ過安息香酸を作用させることにより、93%の収率で9-エトキシカルボニル-2,11-ジチア[3]パラシクロ[3](2,5)ピリジノファン2,2,11,11-テトラオキシドを得た。 現在、得られたテトラオキシドの熱分解反応による8-エトキシカルボニル[2]パラシクロ[2](2,5)ピリジノファンの合成ならびに8-エトキシカルボニル[2]パラシクロ[2](2,5)ピリジノファンの光学分割について検討を行っている。
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