1997 Fiscal Year Annual Research Report
イネ染色体上に現れる新規レトロトランスポゾンの構造と転移活性に関する研究
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08640785
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Research Institution | Institute of Molecular and Cellular Bioscience |
Principal Investigator |
大坪 久子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (20158801)
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Keywords | イネ / レトロトランスポゾン / 逆転写酵素 / 垂直伝播 / 水平伝播 / LINE |
Research Abstract |
本年度はイネのgypsy型レトロトランスポゾンの研究が大きく進み、3種の新規gypsy型レトロトランスポゾンRIRE2、RIRE3およびRIRE8の全構造を決定した。特にRIRE2はSertRNAに相同なPBSを持つ11.8kbのgypsy型レトロトランスポゾンで、teosinteのレトロトランスポゾンGrandelに高い相同性が見られた。さらに内部に欠失を持つ欠技損型因子も得られた。これらgypsy型レトロトランスポゾンのRTase(逆転写酵素)遺伝子の相同性からこの3種はさらにRIRE2ファミリーとRIRE3-RIRE8ファミリーの2群に大別されることを明らかにした。これらの結果は2報の論文として準備中である。さらにRIRE3のhomologueが単子葉植物にも双子葉植物にもubiquitousに存在し、水平伝播によって拡散したことが示唆された。 また、これまで植物では殆ど報告のなかったLINEエレメント(Non-LTR型レトロトランスポゾン)を被子植物から裸子植物、苔類に至るまで32種の植物DNAを用いて系統的に単離することに成功した。それらのLINEのエンドヌクレアーゼ領域の部分塩基配列の解析から、これらのエレメントは、レトロトランスポゾンとは異なって、垂直伝播をする因子であることが示唆された。イネを培養細胞化、及びユリシター処理をしたときに、RIRE2の発現が誘導されるという予備的な結果(全RNAに対するノーザンブロット法)も得ている。
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[Publications] Uozu,S.: "Repetitive sequences:Cause for variation in genome size and chromosome morphology in the genus Oryza" Plant Mol.Biol.35(6). 791-799 (1997)
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[Publications] Noma,K.: "RIREI,a retrotransposon from wild rice Oryza australiensis" Genes Genet.Syst.72. 131-140 (1997)
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[Publications] Motohashi,R.: "Structures and distribution of p-SINE1 members in rice genomes." Theor.Appl.Genet.95. 359-368 (1997)