1996 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータービジョンによる蚊の群飛の三次元構造の解析とその適応的意義
Project/Area Number |
08640812
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
井川 輝美 盛岡大学, 文学部, 助教授 (80212728)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 守 三重大学, 教育学部, 教授 (80167171)
|
Keywords | 蚊 / 群飛 / 三次元計測 / コンピュータープログラム / 動画像解析 / ビデオ |
Research Abstract |
多くの種類の蚊において雄蚊が一日の一定の時間に特定の場所で飛翔し、そこに雌も飛来して交尾が行われることが知られている。本研究の目的は、群飛する蚊の三次元の位置を推定するシステムを開発し、蚊の群飛の三次元の構造・固体の行動の解析を行うことによって群飛の適応的意義を明らかにしようとするものである。 平成8年度の研究の主目的は動画像三次元計測システムの開発であり、以下のように研究を進めた。 1 実験室内で蚊を飛翔させビデオで撮影し、ビデオ入力のための諸条件の設定を行った。まず、蚊の画像が明確に記録される為には適当な補助光源が必要であることが分かったので、蚊の行動に影響を与えず、しかも十分な照明が出来る条件を調べた。いくつかの光源とフィルターを組合せて照明を与え蚊の行動を撮影した結果、波長660nmのLEDに660nmより短い波長の光をカットするフィルター、あるいは700nmのLEDに680nmより短い波長の光をカットするフィルターの組合わせが補助光源として有望であることが分かった。野外の蚊の群飛を撮影出来る季節を待って、いずれの組合わせが適当か調べ、本格的な光源装置を作成する予定である。 2 ビデオ画像をコンピューターに取り込むための諸条件を設定し、画像取り込みのプログラムを開発した。さらに、取り込まれた画像のなかでの個々の蚊の位置を決定してその位置を保存するプログラムを作製した。 3 ビデオで取り込んだ一連の画像を連続的に解析して群飛する蚊の三次元の行動パターンを解析するために、数理モデルを構築しそれをもとにプログラミングを行った。 以上の研究はすべて室内実験によって行われた.平成9年度には、これまで開発したシステムを野外の蚊の群飛の影響と三次元解析が出来る本格的なシステムに発展させ、蚊の群飛の定量的研究を推進する予定である。
|