1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640814
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Research Institution | Chikushi Jogakuen Junior College |
Principal Investigator |
佐々木 浩 筑紫女学園短期大学, 幼児教育科, 助教授 (80270081)
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Keywords | イタチ属 / 種間関係 / チョウセンイタチ / ニホンイタチ / mt DNA / cyt b |
Research Abstract |
今年度は福岡県大野城市牛頸ダム下、福岡県筑紫野市平等寺、福岡県福岡市早良区荒谷、佐賀県三瀬村井手野、福岡県那珂川町上梶原、福岡県那珂川町九千部山山頂の6ヵ所において、1998年1月から3月にかけて、各調査区4又は5日捕獲調査を実施した。捕獲個体は、麻酔後、各部計測、耳からDNA分析用のサンプル採取、個体識別用トランスポンダー挿入を行い、覚醒後捕獲地点において放逐した。捕獲数はチョウセンイタチ雄4頭、雌2頭、ニホンイタチ雄1頭であった。昨年度と今年度の合計捕獲数は、チョウセンイタチ雄8頭、雌3頭、ニホンイタチ雄5頭である。捕点を分析した結果、チョウセンイタチは平野部から、田畑があるところまでは山地部に分布を広げており、ニホンイタチは河川の上流部の田畑がない所に分布していたが、河川のない山頂部の天然林には分布いないことが判明した。このため、脊振山系におけるニホンイタチの分布はかなり限定されたものになると考えられた。同様に、西日本のニホンイタチは各地で孤立し始めている可能性があるだろう。DNA分析用のサンプルは、北海道大学大学院地球環境科学研究科生態遺伝学研究室において、細田徹治、鈴木仁両氏がmt DNAのcyt b領域のシーケンス分析によって種を同定した。形態(毛色、尾率)からの種判定は、DNAによる判定と一致したが、個体間のDNAの変異については今の所検出されていない。 予定していた脊振山系以外の分布調査やテレメトリー方による生息地の利用様式の調査は行うことが出来なかったが、両種の基本的な分布傾向は把握できたため、来年度以降これらの調査は実施して予定である。また、二種間の交雑の有無、個体群内の変異について研究を進めるためにrDNAなどの核遺伝子の分析をおこなっていく予定である。
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