1996 Fiscal Year Annual Research Report
イネ発芽種子のエンドペプチダーゼ:発現制御及び翻訳後プロセシング
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08640834
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
南川 隆雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (30087001)
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Keywords | エンドペプチダーゼ / プロセシング / イネ / 発芽(種子) / cDNAクローニング / ジベレリン / アブシジン酸 / 塩基配列 |
Research Abstract |
イネ発芽種子中のエンドペプチダーゼ活性は疎水性クロマトグラフィにより主要な2画分に分離でき、これらはREP-1及びREP-2と名付けられた。REP-1については、さらに精製を進め、単一の酵素タンパク質として単離した。REP-1の部分精製標品を用いて、イネ種子中の貯蔵タンパク質の約80%を占めるグルテリンの消化実験を行った。疎水性クロマトグラフィによって部分精製したREP-1標品を酵素として使用した場合、グルテリンの酸性及び塩基性両サブユニットは経時的に減少することが認められた。またREP-1のN末端アミノ酸20残基を決定し、そのcDNA(pRP60と命名)を単離して塩基配列を決定した。さらに、これと類似のcDNAを得てpRP-80と名づけ、全塩基配列を決定した。pRP60cDNAの塩基配列から導き出されるアミノ酸配列には、シグナル配列につづく推定プロ領域が存在し、オオムギ発芽種子の分泌性エンドペプチダーゼEP-Bと同様にREP-1も多段階の翻訳後プロセシングを受けることが推定された。次に、pRP60及びpRP80mRNAの植物ホルモンによる発現応答の解析を行った結果、ジベレリン及びアブシジン酸による両mRNAの発現制御が示された。また、ゲノムライブラリーからそれぞれの遺伝子を得てRep1及びRepAと名づけ、塩基配列を決定した。cDNAとの比較からRep1にはイントロンが存在せず、RepAは5つのエキソンから成ることが示された。また両遺伝子の上流域には、イネ科種子のα-アミラーゼ遺伝子などで報告されているジベレリン応答の保存配列は見いだされなかった。
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[Publications] Kato,H.,Minamikawa,T.: "Identification and characterization of a rice cysteine endopeptidase that digests glutelin." Eur.J.Biochem.239. 310-316 (1996)
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[Publications] Kim,J.W.,Minamikawa,T.: "Expression and characterization of endopeptidase in suspension-cultured cells of French bean." Biosci.Biotech.Biochem.(in press.). (1997)