1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
刀祢 重信 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 放射線医学研究部門, 研究員 (70211399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 省二 三菱化学生命科学研究所, 生命画像情報研究室, 研究員
栗原 敬子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 放射線医学研究部門, 研究員 (90124495)
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Keywords | 細胞死 / アポトーシス / 肢芽 / 形態形成 / 遺伝子 |
Research Abstract |
高等動物の形態形成過程において特定の細胞集団があらかじめ決められているかのように死滅する、いわゆるプログラム細胞死という現象が生じることが知られている。この細胞死の解析は、形態形成のメカニズムをあきらかにすることに繋がるのみならず、関連現象であるアポトーシスの分子機構の解明にも示唆を与えるものと考えられる。本研究においては、ニワトリ胚肢芽の形態形成時における細胞死に伴って発現量が変化する“細胞死関連遺伝子"を単離し、これらの遺伝子の塩基配列を決定後、胚での発現部位を解析し、またアポトーシスとの相関を調べる。本年度は、細胞死をおこし始めた指間間充織と、細胞死をおこす一日前の肢芽組織から別個にRNAを抽出し、それらを出発材料としてcDNAサブトラクション(引き算)法を用いて“細胞死関連遺伝子"をクローニングした。得られるRNAが微量であるために、我々があらたに開発したin vitro RNA増幅法を用いてあらかじめ胚から得たRNAを1000倍程度増幅したのち、片方をビチオン標識し定法通りサブトラクションし、細胞死にともなって発現量が増える遺伝子を3種類取得した。それらの発現の上昇はNorthern blot法によって確認された。それらの塩基配列を決定したところ、1つは新規遺伝子であったが、残り2つはそれぞれリボソーム蛋白S6及びS12であった。またBrdU処理によって指間のアポトーシスが特異的に阻害されるという本実験系の利点を生かして、アポトーシスの前に発現が始まり、BrdU処理した胚の指間組織や指では発現していない遺伝子をdifferential display法によって取得する試みを行い、これらの基準にかなう2種類の増幅バンドを確認した。クローニング、シークエンスは来年度実施の予定であるが、細胞死の有無と発現パターンが一致するために真の細胞死遺伝子であることが期待できる。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 刀祢重信: "発生とアポトーシス" 細胞. 28. 4-8 (1996)
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[Publications] Suzuki,H.: "Effect of immunoglobulin and gamma-interferon on the production of fumor necrosis factor-alpha and interleukin-l beta by the peripheral blood monacytes in the acute phase of Kawasaki desease." European Journal of Pediatrics. 155. 291-296 (1996)
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[Publications] Shinohara,K.: "Apoptosis induction resulting from proteasome inhibition" Biochemical Journal. 317. 385-388 (1996)
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[Publications] Tone,S.: "Cloning of DNA fragments derived from 30kbp DNA occuring in early phase of apoptosis." Nucleic Acids Symposium Series. No.35. 215-216 (1996)
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[Publications] Miyano,M.: "Cloning of human promoter sequences that carry a curved DNA structure." Nucleic Acids Symposium Series. No.35. 265-266 (1996)
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[Publications] Southan,M.D.: "Structural requirements of the competitive binding site of recombinant human indoleamine 2、3-dioxygenase." Medicinal Chemistry Research. 6. 343-352 (1996)
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[Publications] 刀祢重信: "形態形成におけるプログラムされた細胞死" 繁殖生物学会誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] Tone,S.: "Analysis of relationship between programmed cell death and cell cycle in limb-bud." Hormone Research. (印刷中). (1997)
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[Publications] 刀祢重信: "Bio Science用語ライブラリー アポトーシス" 羊土社, 3 (1996)
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[Publications] 刀祢重信: "形態形成におけるアポトーシス。第103回日本医学会シンポジウム記録集" 日本医学会, 9 (1996)