1997 Fiscal Year Annual Research Report
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08640875
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| Research Institution | Toho University, Faculty Scinece |
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Principal Investigator |
藤井 良三 東邦大学, 理学部, 教授 (10045354)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)
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| Keywords | 色素胞 / 黒色素胞 / 白色素胞 / エンドセリン / 皮膚色 / 変温脊椎動物 / 魚類 |
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| Research Abstract |
エンドセリン類は哺乳類の血管平滑筋の極めて強力な収縮物質として注目されている生理活性ペプチドである.われわれは先にこれらが魚類の黒色素胞内のメラノソームを効果的に凝集させることを見い出し,さらにこの際に作動するエンドセリン受容体が哺乳類のET_B型に類似する薬理学的性質をもつことを示した.今回の研究では黄・赤色素胞についてもほぼ同様な結果が得られた.白色素胞の運動性反応の測定法の改良を行い,これを利用し,エンドセリン類の作用を検討したところ,白色素胞では細胞内顆粒の拡散を生じた.受容体はやはり哺乳類のET_B型に類似するものと推定された。ついで,最近注目されている一酸化窒素の作用の解析を開始,メラノソーム拡散作用を検出した.受容体を介さないと考えられるこの物質のユニークな作用機構は今後研究の中心課題となる.さらに,関連して硬骨魚黒色素胞の運動性の神経的制御におけるNMDA受容体の関与の可能性を検討した.NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体は非アレドレナリン性非コリン性(NANC)神経の制御下にある効果器細胞に存在する興奮性アミノ酸受容体のサブクラスのひとつである。色素胞の神経支配については従来,交換神経による単一神経支配とされていたが,ここではカワムツを使用し,興奮性アミノ酸を伝達物質とするNANC神経の存在を検討した.NMDAは単独では作用を示さないが,グリシンの共存下では顕著な色素拡散作用を示し得た.美しい空色で人気が高いナンヨウハギの皮膚呈色と体色の変化ついて解析した.ルリスズメダイ型の虹色素胞が見られたが,1層でなく2層に存在していた.青色は虹色素胞内の極薄の反射小板の堆中に生じる重槽薄膜干渉現象によると結論された.しかし,低い彩度は,主としてこの虹色素胞が2層に存在することに由来すると結論した.夜間には体色は明化する。これは夜間分泌されるメラトニンの作用で凝集するためと考えられる。
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[Publications] Hayashi,Hiroshi: "The endothelin receptors that mediate aggregation of pigment in fish melanophores." Comparative Biochemistry and Physiology,Series B. 115・1. 143-152 (1996)
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[Publications] Goda,Makoto: "Biology of the chromatophores of the ice goby,Leucopsarion petersii." Zoological Science. 13・6. 783-793 (1996)
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[Publications] Fujii,Ryozo: "An improved photoelectric method for recotrding motile responses of individual leucophores." Zoological Science. 14.4. 549-558 (1997)
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[Publications] Fujita,Tomohiro: "Endothelins disperes light-scattering organclles in leucophores of the medaka,Oryzias latipes." Zoological Science. 14・4. 559-569 (1997)
