1996 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン・ゲルマニウム規則混晶からの光第二高調波発生に関する研究
Project/Area Number |
08650005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢口 裕之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50239737)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 高志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60205557)
|
Keywords | 分子線エピタキシ- / 固体ソース / 光第2高調波発生 / シリコン / ゲルマニウム / 分子線セル / 短周期超格子 / ヘテロ構造 |
Research Abstract |
Si分子線セルの検討 固体ソースSi分子線エピタキシャル成長では,従来Siを蒸発させる手段として電子銃加熱が用いられてきたが成長速度の安定性に問題があり,成長速度の制御も容易ではない。そこでこれに代わる方法として,高温まで使用可能なSi分子線セルを用いてSiGeヘテロ構造の作製を行った。Si分子線セルは1350〜1650℃の範囲で使用した。これは5×10^<-3>〜0.5Å/secの成長速度に対応し、2桁にわたって成長速度の制御が可能であることがわかった。分子線セルでは成長速度の制御性が高く,本研究で対象とする短周期超格子構造の作製に最適な成長技術を確立することができた。 Si/Ge短周期超格子からの光第二高調波発生 SiおよびGeは反転対称性を有するため双極子近似による光第二高調波発生は禁止されているが,奇数原子層からなるSi_nGe_n超格子においては反射対称性が崩れるための光第二高調波発生が期待される。本研究ではSi(111)基板上にSi_3Ge_3超格子を作製し、光第二高調波の測定を行い,超格子からの寄与と考えられる光第二高調波発生を初めて観測した。この試料を850℃でアニールすると光第二高調波の強度が急激に減少した。これはアニールによって原子の拡散が起こり、超格子構造が壊れたためと考えられる。比較のために反転対称性を有するSi_4Ge_4超格子で同様の測定を行った結果,光第二高調波の強度は弱く,アニールによる強度変化はほとんどなかった。しかたがってこの場合の光第二高調波は表面からの寄与によると考えられる。 今後は,成長中に形成される規則混晶からの光第二高調波発生について研究を進めたいと考えている。
|
Research Products
(1 results)