1997 Fiscal Year Annual Research Report
歪み超薄膜挿入によるピエゾ効果を用いた半導体高指数界面のバンドオフセット制御
Project/Area Number |
08650029
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 敏夫 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 助手 (90170513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
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Keywords | カリウム砒素 / インジウム砒素 / アルミニウム砒素 / 超薄膜 / ピエゾ効果 / 半導体界面 / バンド不連続量 / 強結合法 |
Research Abstract |
半導体高指数界面への歪み超薄膜挿入の効果を調べるために、まずGaAs(311)基板上のInAs単原子層の電子構造を、半経験的なsp^3S^*強結合法を用いて理論計算した。計算のモデルとして(InAs)^1/(GaAs)_n[311]超格子(n=10〜26)を用いて、(311)-InAs単原子層がGaAs禁制帯中に作るエネルギー準位を求め、光学的性質との関連を調べた。その結果、(311)-InAs単原子層は、GaAs禁制帯中に電子準位(伝導帯端直下)と正孔準位(価電子帯端直上)を形成することが明らかになった。電子準位一正孔準位間のエネルギー間隔E_<e-h>は、GaAs禁制帯幅E_gよりも0.06eV(n=10)と0.03eV(n=26)小さくなり、観測されているフォトルミネッセンスの起源となる。また、電子及び正孔準位の波動関数は、InAs単原子層付近に弱く局在していることが明らかになった。さらに、InAs層が臨界膜厚を越えて成長し、量子ドット構造が自己形成されている場合の電子構造を計算した。原子数161〜1222個のドット中の歪み分布を、Keating potentialにより求め、これに基づき電子構造の計算を行なった。その結果、ドットの内部状態の状態密度にはギャップが存在し、強い閉じ込め効果により、ギャップ値はバルクInAsよりかなり大きいことが明らかになった。同時に高密度の表面状態がギャップ中に現れている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Saito: "Control of band discontinuities at(100)GaAs/AIAs interfaces by Znse insertion layers:Comparison with Si insertion layers" Physical Review B. Vol.56. 14933-14936 (1997)
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[Publications] T.Saito: "Strain distribution and electronic,structure of InAs quantum dots on GaAs:Atomic scale calculations" Physics of Low-Dimensional Structures. Vol.11/12. 19-26 (1997)
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[Publications] T.Saito: "Atomic scale calculations for strain distribution and electronic structure of InAs pyramidal quantum dots on(100) GaAs" Proc.of 24th Int,Symp,on Compound semiconductors. (発表予定). (1998)
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[Publications] T.Saito: "Strain energy distribution and electronic structure of InAs pyramidal guantum dots with uncovered surfaces" Physical Review B. (発表予定). (1998)