1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮嵜 博司 東北大学, 工学部, 助教授 (00134007)
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Keywords | フォトニックバンド / フォトニック井戸 / 2次元格子 |
Research Abstract |
各円柱が任意の誘電率と半径を持ち,また,その配置も任意である2次元平行円柱群への平面波状の入射電磁波の散乱を求める一般的なプログラムを完成した。このプログラムは,従来の周期系円柱に関するプログラムと異なり,各円柱の内部電場も求める事ができる利点がある。又,任意配置の有限系を扱えるから,計算結果を直接に実験結果と比較できる。このため,今後様々な分野で応用可能と思われる。 このプログラムを用いて,まず,1〜4個の円柱群による電磁波の散乱状態を内部電場も含めて求め,単一円柱の固有モードがどのように円柱間で相互作用しあうのかを詳細に調べた。次いで,その結果を元にして,8〜12個程度の平行円柱群への平面波入射を検討し,これらの系が周期系と同様のギャップを有する事を見出した。従って,実験的には数十個程度の円柱群で十分にフォトニックギャップの効果が表れることが解かった。 更に,5×5の円柱群の中心円柱を1個取り除き(欠陥),欠陥部分での入射電磁波の束縛状態(欠陥モード)を求めた。この結果は直接に実験と比較できるものである。又,パラメータを適切に選べば,欠陥部の強度が入射電磁波の数百倍になる事を見出した。これはフォトニックギャップによる非線型効果の増大に道を開くものである。 又,3×3の円柱群の周囲を2列の円柱群で囲った7×7の円柱群において,入射電磁波が内部の3×3の円柱群に局在する状態を確認した。これによって,7×7程度の大きさの円柱群でも十分に2次元フォトニック井戸を形成できる事が明らかになった。計算は現在も進行中であるが,単一の興味ある結果を纏めるのではなく,この分野の今後の発展の基礎となるデータを提供する視点に立ち,多くのパラメータでの結果を元に総合的に研究を継続するつもりである。
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Research Products
(1 results)