1997 Fiscal Year Annual Research Report
構造性複屈折の色分散を利用した広波長域1/4波長板
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08650055
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
久保 速雄 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30081243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 久雄 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10214743)
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Keywords | 構造性複屈折 / 1 / 4波長板 / 光学異方性 / 有効複屈折 / 色分散 |
Research Abstract |
平成8年度は誘電体微細格子による広波長域1/4波長板の自動設計プログラムを製作したが、平成9年度は金属格子による反射型1/4波長板の設計を行い、実際の波長板の試作を試みた。また、金属微細格子に対する有効屈折率について検討を行った。 金属格子による反射型1/4波長板は、炭酸ガスレーザ加工で用いる10.6μmの波長に対して設計を行った。レーザ加工においては、光源からの偏光特性が加工に影響を与えることが知られており、これを解消するために波長板を用いて偏光特性を無くす工夫が為されている。波長板の設計は、厳密な電磁解析法(Rigorous Coupled Wave Analysis)を用いて行った。製作は、8μmピッチのフォトマスクを作成し、密着露光、反応性イオンエッチングの要領で行った。基板に石英ガラスを用い、エッチング後に金コートを施して反射率を高くした。しかし、今回の製作では4μm程度の深い溝を作る必要があり、サイドエッチの効果が大きく、矩形の溝形状が得られなかった。また、実際に性能試験を行うに至らなかった。 金属微細格子の有効屈折率の検討では、有効屈折率の考え方が金属格子の設計に適用できるかを調べた。誘電体微細格子に対する有効屈折率の有用性やその適用範囲はほぼ明らかになっていたが、金属微細光については研究例がなく、設計への利用が未知であった。本研究では金属微細格子の有効屈折率の決定法を提案し、それを用いて微細格子の透過・反射率を見積もった。また、これらの結果を厳密解析法の結果と比較することで、その有用性を調べた。この結果、有効屈折率の適用範囲は格子ピッチが波長の1/10以下の小さい場合に限定されることが分かった。しかし、ワイヤーグリッド格子のような厳密な透過・反射率の計算が不要なものの設計においては、より大きな格子ピッチに対しても十分利用可能であることも明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayao Kubo: "Approach to dielectric tensor slice-type tomography" Journal of Optical Society of America,A. Vol.14,No.9. 2299-2313 (1997)
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[Publications] Hisao Kikuta他: "Effective medium theory of two-dimensional subwavelength gratings in the non-quasi-static limit" Journal of Optical Society of America,A. Vol.15,No.6. (1998)
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[Publications] 菊田久雄他: "解説:波長より細かな格子構造による光制御" 光学. 27巻・1号. 12-17 (1998)