1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 文雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40013734)
金子 晃 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (30011654)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
堀川 穎二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011754)
時弘 哲治 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10163966)
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Keywords | ソリトン / 戸田方程式 / 特異性閉じ込め / パンルヴェ方程式 / 数列加速 / セルオートマトン |
Research Abstract |
本研究の3つのテーマ、(1)非線形差分方程式に対する「特異性の閉じ込め」の概念の構造を解明すること、(2)工学に現れる非線形差分方程式にその概念を適用し、どのような実際的な役割を果しているかを考察すること、および(3)その中で、工学的に有用な手法を抽出すること、に関して以下の結果を得た。 (1)、(2)について、非線形分散波動を記述する波動方程式の相似縮約として生じるパンルヴェI型方程式の離散版についてその解の構造を検討し、離散系でしか意味を持たず、連続化した場合つぶれる解が存在することを明らかにした。この結果は離散問題特有の状況を示すものとして興味深い。 (3)について、戸田分子方程式と数列加速に対するεアルゴリズムが相互に関連するという性質を用いて、アルゴリズムの厳密な誤差評価を可能であることを指摘するとともに、離散戸田分子方程式に基づく新しい加速アルゴリズムを提案した。限られた対象ではあるが、離散可積分系が工学的にも有用であることを示した結果である。また通信に応用することが期待されるソリトンセルオートマトンに関して、離散戸田方程式に超差分化を施すことにより、2方向に伝搬するオートマトンシステムが実現すること、および空間2次元化が可能であることを示した。この結果は超差分化の考え方がきわめて一般的であることを示唆するもので、今後可積分系だけでなくより広いクラスの工学的に有用な差分方程式に適用できることが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ohta: "Bilinear Structure and Exact Solutions of the Discrete Poinleve′ I Equation" CRM Proceedings and Lecture Notes. 8巻. 265-268 (1996)
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[Publications] A.Nagai: "The Toda Molecule Equation and the ε-Algorithm" Mathematics of Computation. (発表予定).
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[Publications] J.Matsukidaira: "Toda-type Cellular Automaton and its N-soliton Solution" Phys.Letters A. 225. 287-295 (1997)
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[Publications] S.Moriwaki: "2+1 dimensional soliton Cellular automaton" London Math.Soc.Lecture Notes Series. (発表予定).