1996 Fiscal Year Annual Research Report
動的密度汎関数理論に基づく分子性液体の非平衡特性に関する基礎研究
Project/Area Number |
08650077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗像 豊哲 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026357)
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Keywords | 分子性液体 / 動的密度汎関数理論 / 粘性係数 / モンテカルロシミュレーション / コンフォメーション |
Research Abstract |
1)分子性液体に対する動的密度汎関数理論 分子性液体の平衡特性に関するチャンドラ-等の密度汎関数理論を動的に拡張し、これを用いてまず2原子分子の粘性係数を定式化し実際に数値計算した。すなわちクエット流における2分子間の相関の、等方性からのずれをもとめこれより粘性係数を計算した。数値的に正しい値を与えるだけでなく分子自身がクエット流中においてある方向に揃うということを理論的に預言している。 2)分子性液体の熱膨張と配座 上に述べた定式化により分子性液体の熱膨張や異性化反応等も扱えることがわかり実際に液体窒素とモデル化したn-ブタンについて計算し計算機実験の結果と比較した。高密度液体においてはボンド長の大きなトランス状態よりボンド長の短いゴ-シュ状態ととりやすいということを定量的に示した。 3)モンテカルロ法の開発と応用 高分子液体におけるコラプス転移や蛋白質の折り畳みは我々の研究目標の一つであるがこれらの研究においては計算機実験が重要な役割を果たしモンテカルロ法の開発は重要なテーマである。我々は特にこの分野で最近興味を集めているエントロピーサンプリング法に注目しこれを適応(アダプテーション)モンテカルロ法と位置付け、新しい導出法を与え、さらにこれを1次相転移系に応用した。
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[Publications] 吉田周平: "Shear-induced distortion of intramolecular and intermolecular correlations in liquids" Phys.Rev.E. 54. 1763-1769 (1996)
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[Publications] 宗像豊哲: "Statistical mechanics of deformabel molecular liquids" Phys.Rev.E. 54. 3687-3692 (1996)
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[Publications] 宗像豊哲: "Adaptation and linear-reponse theory" Phys.Rev.E. 54. 4394-4398 (1996)