1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳瀬 眞一郎 岡山大学, 工学部, 助教授 (20135958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 敏弘 岡山理科大学, 工学部, 助教授 (40144886)
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Keywords | 回転系 / 乱流制御 / 渦構造 / 曲がり管 / 旋回流 / 管抵抗 / ベンド / 二次流 |
Research Abstract |
流体の渦構造を利用した乱流制御として最も基本的な問題は、流れが乱流状態になった場合の管内流による乱流抵抗を削減することである。そのため回転系によるバックグラウンド渦を利用するのが本研究の目的であるが、研究の入り口としてそれと同等な効果を持つ旋回流を強制的に加えその効果を研究した。つまり曲がり管内流れに旋回流を加え、乱流2次流れを制御することによって管抵抗を削減することを工夫した。曲がり管内流れでは、よく知られているように、遠心力の作用によって管断面内に2次流れが生じ、1対の渦流れが形成される。本研究ではこの2次流れを旋回流によって抑制することに成功した。実験装置は、旋回流の発生装置、円形断面を有する曲率半径780mmの180度ベンド部、上流・下流直管部、及び送風機からなる。旋回流は、外径572mmの2枚のアクリル円盤間に24枚設けた案内羽根によって作った。流れの旋回強さは、案内羽根の角度を変えることによって調節される。実験は常温の空気を用いて管壁に設けた直径0.5mmの静圧孔より壁面制圧を測定した。案内羽根角度が0度、15度、30度の場合の測定を行った結果、15度の場合が抵抗が最も低くなることが分かった。抵抗削減の割合は旋回流がない場合と比べると約20%の削減となる。実験成功の理由は旋回のない曲がり管内流で存在する上下対称な2次流を旋回を導入することによって対称性を壊したためである。次年度からは、この実験の裏付けとなる理論研究を行うために数値実験を行うことがまず第一の目標である。また、最も基本的な一様回転系での渦構造が旋回流を強制的に導入した場合と同様になることを確かめる研究も行う予定である。
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