1996 Fiscal Year Annual Research Report
動的環境における幾何情報を含んだ離散構造のためのアルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
08650081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今井 桂子 中央大学, 理工学部, 助教授 (70203289)
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Keywords | 離散構造 / 列挙のアルゴリズム / 計算幾何学 / 三角形分割 |
Research Abstract |
近年,離散的な問題において,その構造が動的に変化していく場合にも問題を解く必要に迫られている.静的な問題(最短路問題や施設の配置問題など)は古くからその重要性が認識され,問題の持つ離散構造を凸多面体やグラフを用いて表現し,それを巧みに利用した解法が開発され,多くの有用な研究結果が得られている.最近では,交通量が時間と共に変化していくなかでの最短路問題や,故障を考慮したネットワーク,移動体通信など対象物が移動できる状況での最適施設配置問題のような動的な環境における問題が重要視されてきている.ここでの問題には,離散的な構造の変化と連続的なパラメタの変化があり,さらに離散的な構造には,幾何的情報が含まれていることが多い.そこで,本研究では幾何的情報を持つ離散構造を表現し,かつ動的な変化に対応可能なデータ構造や,それを効率的に操作するためのアルゴリズムの研究を行なってきた.あらゆる構造の変化に対応するためには,すべての場合の列挙といった組合せ的問題が現われるが,そこには組合せ的爆発という問題があり,一般には難しい.しかし,最近,凸多面体の端点を列挙するアルゴリズムが開発されたので,本研究ではこの手法を応用し,離散構造全体を凸多面体で表現し,列挙を行なうための手法の研究を行なってきた.特に,離散的幾何構造の中心的役割をなし,有限要素法やコンピュータグラフィックスなどの基本的概念である三角形分割の集合に対する多面体表現やそれを列挙する効率的手法の開発を行ない,得られた成果に関しては学術論文や研究資料などで発表し,研究成果の公表を行なった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Keiko Imai: "Enumeration of Regular Triangulations" 数理解析研究所講究録. 950. 126-132 (1996)
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[Publications] T.Masada: "Enumeration of Regular Triangulations" Proceedings of the 12th Annual ACM Symposium on Computational Geometry. 224-233 (1996)
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[Publications] T.Ono: "A Package for Triangulations" Proceedings of the 12th Annual ACM Symposium on Computational Geometry,5th Annual Video Review of Computational Geometry. V-17-V-18 (1996)
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[Publications] T.Masada: "Enumeration of Regular Triangulations with Computational Results" Proceedings of International Congress on Industrial and Applied Mathematics. (掲載予定).
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[Publications] 竹内史比呂: "2つの単体の積の三角形分割の列挙" 数理解析研究所講究録. (掲載予定).