1997 Fiscal Year Annual Research Report
繊維複合による微視き裂分散型材料の高靱化に関する破壊力学的研究
Project/Area Number |
08650085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 工学部, 助教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一志 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (80235324)
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Keywords | 複合材料 / 微視き裂分散型材料 / 破壊力学 / 材料設計モデル / 放電プラズマ焼結 / セラミックス / 繊維 / 高靱化 |
Research Abstract |
本研究は、微視き裂分散型プロセスゾーンに吸収される破壊エネルギーの微視破壊力学的モデルの開発を行い、繊維複合材料の高靱化のための最適化に関する検討を行うことが目的である。本年度は、前年度の設計モデルの開発、ならびに繊維強化複合材料の合成と評価に関する研究を、繊維が破断する場合も含んで展開することにより設計モデルを完成させ、数種類の複合材料を対象にして提案した設計モデルの妥当性を検証した。 研究(1)設計モデルの開発 繊維が完全にプルアウトする場合に加えて、破断する場合についても繊維のブリッジングによる結合力-き裂開口変位関係を推定するための破壊力学的モデルの導出に成功し、前年度の成果と合わせて、微視き裂分散型の複合材料を合成するための繊維、マトリックス、ならびに界面特性に関する条件を予測する手法を完成させた。 研究(2)繊維強化複合材料の合成と評価 放電プラズマ焼結法を用い、炭素繊維-炭化ケイ素マトリックスならびにSUS304製繊維-LAS/ウラストナイトマトリックスの複合材料を試作し、3点曲げ試験法による破壊特製の評価を行った。研究(1)で作成した設計モデルにより試作材料の破壊エネルギーを定量的に予測できること、および後者の試作材では微視き裂分散型の破壊プロセスを誘起しうることを示し、さらにその複合化条件は開発した破壊力学的モデルによる推定結果と調和的であることを明らかにしている。 研究(3)複合パラメータの最通化 研究(1)の設計モデルを基礎にして、分散型微視き裂発生、繊維の破断ならびに巨視的に均質な繊維の複合化を行うための各条件を図式化した複合材料の設計線図を作成し、これを用いた数値実験を行うことにより高靱化のための最適繊維パラメータを決定する方法を提案した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Ha, T Hashida: "Development of evironmentally-friendly processing methods for cemenfitious" Proceeding of International Symposium on Solvothermal & Hydrothermal Processes. 54-55 (1997)
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[Publications] K.Hosoi, T.Hashida, H.Takahashi, N.Yamasaki, T.Korenaga: "Solidification behavior of calcium carbonate via aragonite-calcite wet transformation with hydrothermal hot-pressing" J.Materials Science Letter. 16. 382-385 (1997)
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[Publications] 佐藤和彦, 橋田俊之, 高橋秀明, 山崎仲道: "水熱ホットプレス法によるアルミナセメントーリン酸塩結合固化体の合成" 日本セラミックス協会学術論文誌. 105-5. 424-427 (1997)
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[Publications] K.Sato, T.Hashida, H.Takahashi, N.Yamasaki: "Development of Hight Strength Calcium Aluminate-Phosphate Cement by Hydrothermal" J.Materials Science Letter. 16. 1464-1468 (1997)
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[Publications] 佐藤和彦, 橋田俊之, 高橋秀明, 山崎仲道: "水熱ホットプレス法を用いた廃コンクリート固化体のスラグ添加による高強度化" 日本セラミックス協会学術論文誌. 105-3. 262-264 (1997)