1996 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂硬化時の構成式の確立のプラスチックパッケージ健全性評価への応用
Project/Area Number |
08650093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池上 皓三 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40016788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 千明 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (80235366)
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00126327)
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Keywords | 熱硬化性樹脂 / 粘弾性特性 / 収縮 / 内部応力 / 樹脂モデル / 温度依存性 |
Research Abstract |
本研究では,パッケージの設計に材料力学的な手法を系統的に用いてパッケージの健全性評価を行った.すなわち,プラスチックパッケージ用樹脂の構成則を定め,内部応力の解析を行い,その結果に基づいて健全性評価を試み,電子デバイスの信頼性向上に寄与することを目的とした. (1) 熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を対象に硬化温度を変化させて,2重円筒装置によりその粘弾性特性を測定し,その結果を粘弾性モデルを用いて定式化できた. (2) エポキシ樹脂の硬化時の体積変化ディラトメータを用いて測定し,樹脂の収縮率の時間的変化を定式化できた. (3) (1)と(2)の結果から得られたエポキシ樹脂の構成式を用いて樹脂が硬化するときのパッケージモデルが高温から室温へ冷却されるときの内部応力を有限要素法によって解析した. (4) 樹脂モデル内部応力分布は時間とともに変化し,自由表面から冷却されるため,内部になるほど温度が高くなった. (5) 温度分布に対応する樹脂の構成式を用いて,樹脂モデルの内部応力分布を解析し,時間による内部応力分布の変化が把握できた. (6) 樹脂モデルの接着界面端部で内部応力が最も大きくなり,その部分の内部応力は冷却とともに大きくなってゆく. (7) プラスチックパッケージのプラスチックと異種材料接着界面で内部応力が大きくなり,この部分がパッケージの破損場所となることが解明できた.
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[Publications] 佐藤千明,重見將人,池上皓三: "円柱突き合わせ接着継手の衝撃破断強度に及ぼす応力波形状の影響" 日本接着学会誌. 32・11. 410-415 (1996)
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[Publications] 河合出穂,池上皓三,新津靖: "液体窒素温度下におけるSUS304鋼の多軸クリープ変形挙動" 日本機械学会論文集(A編). 62・602. 2319-2325 (1996)
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[Publications] 松井広明,池上皓三: "相変化時における熱硬化性樹脂の粘弾性特性と硬化温度による内部応力への影響" 日本機械学会論文集(A編). 62・596. 993-1000 (1996)
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[Publications] 岩田英生,佐藤千明,池上皓三: "テ-パラップ継手とスカ-フ継手の衝撃変形に及ぼす重ね合わせ接着接合部形状の影響" 日本機械学会論文集(A編). 62・595. 770-775 (1996)
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[Publications] 斉藤 正,池上皓三,新津 靖: "ステンレス鋼の室温と高温での塑性クリープ予変形後の繰返し変形挙動" 日本機械学会論文集(A編). 62・593. 150-155 (1996)
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[Publications] 佐藤千明,岩田英生,池上皓三: "衝撃負荷におけるテ-パラップ接着継手の動的変形挙動" 日本機械学会論文集(A編). 62・593. 175-180 (1996)
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[Publications] 池上皓三(分担): "日本接着学会編,日刊工業新聞社" 接着ハンドブック, (1996)