二次元的X線検出器を利用した新しい迅速残留応力測定法に関する研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08650099
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 広瀬 幸雄 金沢大学, 理学部, 教授 (20019425)
• Keywords: X線回折 / IP(イメージングプレート) / 迅速残留応力測定 / 2次元X線検出器 / α角基準法 / ミクロ・マクロ応力 / 三軸応力解析 / 複合材料

Research Abstract

本研究はX線回折によって得られるデバイシェラ-環の全周の情報を用いることによってX線応力測定を行う方法に関するものである.現在のX線応力測定法であるsin^2ψ法はデバイシェラ-環を数個測定し,それぞれの環の一部分のみを用いて解析する方法である.そのため,セラミックス接合部の微小部測定では測定位置の精度が不十分であったり,X線照射時間を多く必要とし,測定機器も複雑な構造が必要であったが,本研究の方法は,一個のデバイシェラ-環イメージングプレートと称されるX線フィルムに変わる新しい二次元的X線検出器によって高感度に短時間で記録させ,これをコンピュータ上で画像処理して残留応力解析並びに材料の結晶状態を解析する方法である.本方法には,測定が非常に迅速,微小部の測定に適している.X線照射時間が極めて短い,ゴニオメーターが単純化可能などの特徴があり,X線応力測定法において革命的な方法になりつつある.イメージングプレートのX線解析への応用はタンパクの構造解析用として使用されているが,材料強度評価やX線応力測定への適用はまだない.これまでに,我々が基礎的な研究をい行った結果,上述のような極めて可能性が高い方法である見通しが得られた.

Research Products

• [Publications] Y.Hirose et al.: "Micromechanical Analysis of Surface Defects" Mathematics and Mechanics of Solids. Vol.1. 369-391 (1996)
• [Publications] Y.Hirose et al.: "Inclusion problems" Applied Mechanics Reviews. Vol.48. 118-127 (1996)
• [Publications] Y.Hirose et al.: "Intergranular Crack Nucleation in Bicrystalline Materials Under Fatigue" Transaction of the ASME. Vol.63. 788-795 (1996)
• [Publications] 広瀬幸雄ほか2名: "イメージングプレートを用いたマクロ・ミクロ応力のX線測定および(α+γ)二相ステンレス鋼への適用" 日本機械学会論文集(A編). 62巻604号. 2741-2749 (1996)
• [Publications] 広瀬幸雄ほか2名: "Eshelby/Mori-Tanakaモデルを用いた塑性ひずみのX線解析法およびその適用例" 日本機械学会論文集(A編). 63巻606号. 370-377 (1997)
• [Publications] 広瀬幸雄ほか2名: "面外荷重下における任意形状の弾性介在物の応力・変位解析" 日本機械学会論文集(A編). 62巻599号. 1643-1648 (1996)