1997 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化ゴム変性エポキシハイブリッド複合材のステレオロジーとマイクロメカニックス
Project/Area Number |
08650108
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒木 栄敏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (60222741)
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Keywords | マイクロメカニックス / 介在物 / き裂架橋 / ゴム粒子 / 繊維端き裂 / ハイブリッド / 複合材料 |
Research Abstract |
本研究は,繊維強化ゴム変性エポキシハイブリッド複合材料に対するマイクロメカニックスによるモデル化と力学特性の解析を目的とするものである.モデル化に際しては,作用応力の増加に伴ってまず最初に繊維が破断し,これが母材領域へと進展した状態を想定した.破断した繊維の形状は偏長回転楕円体とおいた.ゴム粒子によるき裂架橋領域の寸法はゴム粒子径分布に依存するため,ステレオロジーの考え方を導入して,それを粒子径分布の関数として求めた.ゴム粒子は非圧縮性材料と見なした.また,ゴム粒子-母材界面において生じる界面剥離挙動もモデルに導入した.昨年度においては,このモデルを等価介在物法を用いて解析し,き裂のエネルギー解放率などを求めた.しかしながら,このモデルでは,き裂面上の全応力としてき裂内部の固有応力と平均相互作用応力および作用応力を考え,これらの応力の関係をき裂面上の応力自由の条件から求めている.しかしながら,このような取り扱いでは,き裂内部の応力場に対する繊維含有率の影響が平均相互作用の増加で与えられるだけであり,き裂が繊維端に接していることによって生じる直接的な効果を表しているものではないことが判明した. そこで,今年度においては,繊維端に接するき裂領域の応力をMuraとChenのジャンプ条件から求めるとともに,母材に接するき裂領域の応力は平均相互作用応力に等しいと置き,き裂内において平均的な意味で応力自由の条件を満足していると考えて,昨年度のモデルを修正した.このモデルを解析し,母材き裂や界面剥離き裂のエネルギー解放率やき裂進展条件を定式化した.この条件によって母材き裂の進展が停止する際の臨界き裂長さを求め,これを用いて靱性を評価した結果,繊維やゴム粒子の含有率が増加するに従って靭性は増加することがわかった.
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Research Products
(1 results)