1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空中における被膜処理歯車の負荷性能及び歯面損傷の異常検出システムの構築
Project/Area Number |
08650183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
灘野 宏正 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40043799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中迫 正一 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (30259923)
河野 正来 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20110223)
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Keywords | ステンレス歯車 / すずめっき熱拡散処理 / 高真空 / グリース潤滑 / 歯車試験 / 歯面摩擦損失率 |
Research Abstract |
今年度では、すずめっき熱拡散処理を施したステンレス鋼SUS440C歯車の場合について、グリース潤滑及び乾燥摩擦の状態における歯車の摩擦・摩耗特性及び歯面摩擦損失率等について実験を行った。潤滑試験の場合では、グリース潤滑剤として、パ-フロ・ポリエーテルを使用し、二硫化モリブデンの添加濃度が0%及び30%になるように調合したグリースを歯面に塗布して実験を行った。なお、歯車試験機としては、動力循環式歯車試験機を使用し、真空中における試験の場合では、真空度は10^<-4>Pa程度であった。 (1)真空中の場合では、二硫化モリブデンの添加濃度が30%の場合の歯車の運転が歯面損傷により運転の継続が不能になるまでの時間強度は、二硫化モリブデンを添加しない場合のそれと比して30%程度向上しており、固体潤滑剤としての二硫化モリブデンの効果が僅かであるが認められる。 (2)大気中における試験は現在継続中であるが、二硫化モリブデンの添加濃度が30%の場合の歯車の時間強度は、真空中における歯車の時間強度と比して、大きく現れる。これは、大気中の場合には、歯面上に発生する摩擦熱により、噛み合い歯面が酸化被膜で覆われるためと考えられる。なお、大気中における試験では、歯面の淡い茶褐色に変色しているのが観察されている。 (3)歯面摩擦損失率に関しては、運転開始から小歯車の累積回転数が10^5までは各歯車とも、歯面摩擦損失率は徐々に減少する。その後、歯面摩擦損失率はほぼ一定値の0.015を示すが、小歯車の累積回転数が10^6から運転の経過に伴って歯面の損傷が進展するため、次第に上昇する。
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