1997 Fiscal Year Annual Research Report
瞬時放出された物質の乱流拡散機構の解明と数理モデルの構築
Project/Area Number |
08650194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
角田 博之 山梨大学, 工学部, 助教授 (10207433)
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 乱流拡散 / 流れの可視化 / 画像処理 / 数値流体力学 / 確率モデル / マルコフ過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は,乱流中に瞬時放出された物質拡散場の瞬時濃度場を画像処理手法を利用して調べ,さらに,乱流拡散場の数値予測モデルの構築を行うことにあり,本年度は以下の研究実績が得られた. 1.軸対称浮力噴流場における速度計測 まず,物質拡散場の可視化実験を行うための縦型水路を製作した.水路の流路断面は15cm×15cmであり,可視化実験の目的のために側壁を透明のアクリル板で構成した.小型水路中に軸対称噴流ノズルを設置し,周囲流体と密度差のある乱流浮力噴流による物質拡散場に関して,まず,その平均および変動速度場の計測を熱膜流速計を用いて行い,それらの噴流半径方向および下流方向特性に対する主流流体と噴流流体との密度比の影響を明らかにした.これは次年度以降に予定しているLIF法を利用した拡散場の瞬時濃度計測の基礎的資料となるものである. 2.ラグランジュ的手法によるスカラ場の確率密度関数の予測モデルの開発 乱流中における粒子の運動をラグランジュ的に追跡する手法を用いて,物質や熱などのスカラー場の時間発展に関して,その確率密度関数の時間変化を予測する手法の提案を行った.オイラー的な乱流モデルに基づく通常の手法ではせいぜいスカラ場の平均と分散しか予測できないのに対し,本手法では原理的にスカラ場の全モーメントの予測を行うことが可能であるという特徴を持つ.得られた確率密度関数の時間変化は乱流直接計算で得られた結果と定性的に一致した.
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