1997 Fiscal Year Annual Research Report
回転クエット系の乱流遷移におけるかく乱消滅機構の解明と乱れの制御
Project/Area Number |
08650198
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中林 功一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余 偉明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60251716)
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Keywords | 2球間クエット流 / カオス / 層流一乱流遷移 / ポアンカレ断面 / 一次再帰写像 / 相関次元 / スパイラルTG渦 / 数値解析 |
Research Abstract |
2球間クエット流の層流一乱流遷移における撹乱消滅現象の解明のため,実験と数値計算を行った.2球間クエット流の層流から乱流への遷移は隙間比による依存性が強いので,まずこのような特異現象がどのような隙間比及びレイノルズ数の領域で生じるのか.また,どのようなメカニズムにもとづくのかについて実験的に考察した.次に,数値計算によりスパイラルTG渦発生のメカニズムを考察し,次の結論を得た. 1,撹乱消滅現象は隙間比が0.13-0.17で,レイノルズ数比が約7付近で生じる. 2、位相空間内にT2トーラスを形成する場合は,相関次元d=2,リャプノフ指数λ=0の時である.λ>0になればストレンジアトラクターが現れdが増大する.d=2付近においてもλ>0であればT2トーラスには成らず,ノイジ-リミットサイクルになる. 3,撹乱成分を高周波成分と低周波成分とに分けたとき,撹乱の消滅現象が生じない場合には高周波成分の撹乱エネルギーが増大し続けるが,消滅現象が生じる場合には高周波成分の撹乱エネルギーがほぼ0にまで減少する. 4,スパイラルTG渦の構造の数値計算結果は筆者らが以前に明らかにしたものと一致している.スパイラルTG渦の形成過程には初期段階,発達段階,定常的に維持される段階がみられる. 5,初期段階ではtilting項が寄与する.発達段階ではtilting項が生成に寄与するが,stretching項が制御に働く.スパイラルTG渦の維持機構は主にtilting項によるものである.
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[Publications] 中林功一: "すきま比β=0.14での回転2球間クエット流の層流一乱流遷移のカオス" 日本機械学会論文集. 63・615. 3499-3504 (1997)
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[Publications] 余 偉明: "時空間2次精度差分のデカップリング手法による2球間クエット流の直接数値シミュレーション" 日本機械学会論文集. 64・619. (1998)
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[Publications] Weiming Sha: "An Accurate Second-Order Approximation Factorization Method for Time-Dependent Incompressible Navier-Stokes Equations in Spherical Polar Coordinates" J.Computational Physics. (1998)
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[Publications] 服部 弘二: "回転2球間クエット流におけるスパイラルTG渦の遷移過程,構造及び生成メカニズム" 日本流体力学会年会‘97講演論文集. 16巻別冊. 113-114 (1997)
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[Publications] 中林 功一: "2球間クエット流の撹乱消滅現象の発生領域とそのメカニズムについて" 日本機械学会東海支部第47期総会講演会講演論文集. 3月7日発表予定. (1998)
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[Publications] 服部 弘二: "回転2球間クエット流におけるスパイラルTG渦の構造,遷移過程および生成メカニズム" 日本機械学会東海支部第47期総会講演会講演論文集. 3月7日発表予定. (1998)