1996 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡凝縮を利用するショックインデューストセパレーションの回避に関する研究
Project/Area Number |
08650214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
瀬戸口 俊明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (90145186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 智弘 佐賀大学, 理工学部, 助手 (50039260)
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Keywords | 非平衡凝縮 / 凝縮衝撃波 / 超音速流れ / 衝撃波 / 境界層 / 湿り空気 / 圧力変動 / 液滴 |
Research Abstract |
作動気体として湿り空気を用い,超音速ノズルにおいて生ずる凝縮衝撃波を伴う凝縮流れが、測定部内の衝撃波などに及ぼす影響について,光学観察と圧力計測により実験的に調べた。また,圧縮性流体の基礎方程式と古典凝縮論とを連立させ,MUSCL型の3次精度TVDスキームにより,凝縮が境界層に及ぼす影響を明らかにした。得られた結果を要約すると,次の通りである。 (1)垂直衝撃波と凝縮領域の位置関係を,実験的に求めた。衝撃波の位置がノズルスロートに近く,衝撃波への流入マッハ数が小さい場合,凝縮の影響が強くなると衝撃波への流入マッハ数が減少するため,衝撃波の位置は上流へ移動する。この事実は,非平衡凝縮によりショックインデューストセパレーションの回避が可能であることを示す。 (2)衝撃波への流入マッハ数が結論(1)のマッハ数より大きい場合,凝縮の影響が強くなると衝撃波背後の境界層の発達が小さくなり,圧力回復が良くなるため,衝撃波の位置は凝縮の影響がない場合より下流へ移動する。 (3)凝縮の影響により境界層厚さが減少することを,数値計算を行うことで定量的に明らかにした。 (4)衝撃波による流れの圧力変動に関して,変動する壁面静圧の最大値と最小値の差を,衝撃波の位置,すなわち壁面静圧が変動を開始する点から,変動がほぼ一定となる点までの範囲にわたって求めた。上述の圧力変動の平均値は,凝縮が生じると凝縮が生じない場合に比べ減少し,この効果は凝縮の程度が強くなるほど,また衝撃波への流入マッハ数が小さいほど,著しい。この事実は,衝撃波の振動が凝縮の発生によりある程度回避できることを示す。 以上に述べた結論のほか,現在,局所的に非平衡凝縮が発生できるように超音速ノズルの改造を終了し,次年度の研究計画がすぐに実行できる状態にある。従って,本年度の研究実施計画は,すべて遂行されたものと思われる。
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Research Products
(1 results)