1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650222
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 史紀 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60052875)
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Keywords | 圧力 / 変位 / 流体力 / 干渉 / 管群 / 弾性支持 / 流体関連振動 |
Research Abstract |
近年、原子炉熱交換器内の管群等の振動対策のために、円柱群に作用する流体力の研究、とりわけ流体力学的励振力による振動機構の解明が重要な課題となっている。従来の研究の多くは、円柱群を固定支持した場合のものであり、円柱群の振動を対象とした研究としては不十分であった。 そこで本研究では500mm×500mm×2000mmの測定部をもつN.P.L式ブロ-ダウン形風洞を使用し、直径20mmの円柱を前縁より500mm下流の位置に風洞測定部全幅にまたがって流れに対し直角に3列に固定支持し、そのうち測定を行う列の中央に配置する供試円柱と周囲に隣接する円柱を上下方向からワイヤでつるすことによって2方向に自由度をもつ弾性支持し、円柱間隔比を系統的に変化させ、弾性支持円柱の固有振動数および主流の速度一定のもと、弾性支持円柱の振動変位、円柱まわりの流れ特性および円柱に作用する流体力への円柱間隔比による影響を明らかにし、固定支持した場合および供試円柱のみ弾性支持した場合と比較検討することを目的としている。 その結果、次のようなことが明らかとなった。(1)流力弾性振動は並列3列配置では第2円柱が最も流力弾性振動が発生しやすく、また振動変位は流れに対し直角の方向に卓越している。また、本研究の様に周囲の円柱も弾性支持すると流力弾性振動状態に入りやすくなる。(2)流力弾性振動が発生すると平均揚力係数は0付近の値となり、円柱の振動は時間平均的には円柱左右側面の流れの非対称性を弱める方向に作用すると考えられる。(3)流力弾性振動が発生すると変動抗力係数、変動揚力係数の固有振動数成分は急増し、その変化は円柱の振動変位の変化に対応している。
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[Publications] 岡本史紀: "弾性支持された円柱群まわりの流れに及ぼす円柱間隔比の影響(第1報,並列1列配置)" 日本機械学会論文集 B編. 62・598. 2113-2120 (1996)
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[Publications] 岡本史紀: "弾性支持された円柱群まわりの流れに及ぼす円柱間隔比の影響(第2報,並列3列配置)" 日本機械学会論文集 B編. 62・598. 2121-2129 (1996)
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[Publications] 岡本史紀: "弾性支持された円柱群まわりの流れ(第1報,時間平均圧力および時間平均流体力)" 日本機械学会論文集 B編. 62・602. 3549-3557 (1996)
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[Publications] 岡本史紀: "弾性支持された円柱群まわりの流れ(第2報,変動圧力および変動流体力)" 日本機械学会論文集 B編. 62・602. 3558-3566 (1996)