1996 Fiscal Year Annual Research Report
OPMS(Optical Pressure Measurement System)による希薄気体流の計測
Project/Area Number |
08650227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
藤本 哲夫 名城大学, 理工学部, 教授 (00023028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 智秀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70164522)
|
Keywords | 希薄流体 / 圧力計測 / 光学的計測 / 誘起蛍光 |
Research Abstract |
平成8年度には、白金オクタポリフィリンを感圧材料として用いたOPMS(光学的圧力計測システム)の基礎的データ収集のための実験をおこなった。実験においては酸素透過性シリコンポリマーをベースとし白金オクタポリフィリンを蛍光物質とした塗料を作り、これを50mm x 50mmのアルミ板に塗布した試験片を真空室の中に設置した。この真空室内の圧力は10^<-3>〜760Torrの間に調節され、また、試験片にシ-ズヒーターを取り付け温度を希望する値に保った。これにバンドパス フィルター付きXeランプにより波長390nmを中心にした紫外光を照射し、その時発する蛍光を650nmのバンドパスフィルターをつけたCCDカメラで捉えその信号を計算機に送りその強度を256階調で記録した。その結果、参照圧力P_<ref>(大気圧)における蛍光強度I_<ref>とすると、任意の圧力Pにおける蛍光強度Iの間には (I_<ref>)/I=1+K(T)P/(P_<ref>) というStern-Volmerの関係が成立することがわかった。また、係数K(T)は温度に依存するが、P/P_<ref>=0.1〜1の範囲においては、その温度依存性が弱く蛍光強度は圧力のみに依存すると近似できることがわかった。 次に、使用した感圧性塗料の経時変化を観測するために圧力を0.05torrと0.5torrに保ち24時間の蛍光強度変化と圧力を0.027torrに保ち30日間の蛍光変化を観測した。その結果、一定圧力、一定温度の条件で、最初の15時間で蛍光強度は約85%に落ち、30日後には約50%に落ちることが明かになった。これは、励起状態のポリフィリンと酸素の間の電子の交換の結果生じる励起状態の酸素によってポリフィリンの漂白が起こると考えられる。これにより、OPMSとして使用するときは蛍光強度の減衰が少ない短時間に実験を行うことが必要である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 藤本哲夫他3名: "感圧塗料による圧力場の計測" 日本機械学会 東海学生会講演会前刷集. 202-203 (1997)
-
[Publications] 藤本他9名(日本機械学会編): "原子・分子の流れ(希薄気体力学とその応用)" 共立出版, 226 (1996)