1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650244
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鳥居 薫 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 耕一 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (90192690)
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Keywords | Multiphase Flow / Water Film / Wave / Heat Transfer Enhancement / Mass Transfer / Evaporation / Air-Water Dispersed Flow |
Research Abstract |
非加熱条件下の液膜挙動の実験的把握:加熱試験部と同一幾何学形状を有する非加熱透明アクリル管試験部にコンダクタンスプローブ法を適用し,液膜厚さの定量的かつ詳細な測定を行った.また,内部流の可視化により液膜破断条件を定め,限界液膜厚さを測定すると共に,試験部の差圧測定から気液界面せん断応力を得た.その結果,以下の結論を得た.(1)実測の液膜厚さは層流液膜の解析値と良好に一致したことから測定手法の健全性ならびに本実験の液膜は層流であることを確認した.(2)実測の気液界面せん断応力は平均液膜厚さを変数とする従来の実験相関式と妥当に一致する.(3)液膜破断現象は液膜流量の増減に伴う履歴を有する.(4)限界液膜厚さは気液界面せん断応力でよく整理され従来の報告と妥当に一致する. 数値解析手法の構築および実験結果との比較検討:実験的に蓄積された伝熱試験部壁温分布,液膜厚さ,試験部流入条件等の比較検討のための数値解析手法を構築した.本解析は,試験部管内周方向が均一な液膜で覆われる「均一液膜領域」と液膜が破断しすじ状化する「リビュレット状液膜領域」を対象とする.解析と実験との比較検討から以下の結論を得た.(1)壁温の解析結果は均一液膜領域において測定値を良好に再現し得る.(2)本解析は周方向熱伝導を考慮することによりリビュレット状液膜領域の最大壁温変動幅を妥当に予測し得る.(3)解析による限界液膜厚さと気液界面せん断応力の相関は非加熱実験ならびに従来の報告と妥当に一致する.(4)本冷却手法による伝熱促進率は空気単相流に比し最大7倍程度を示し,それは均一液膜領域において実現され,リビュレット状液膜領域では液相の残存にも関わらず空気単相流と同程度までに低下する.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kitagawa,T., Torii,K. and Nishino,K.: "Heat Transfer of Air-Water Dispersed Flow in a Vertical Pipe." Heat Transfer Japanese Research. (to appear).
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[Publications] 北川哲也,鳥居薫,西野耕一: "空気-水系噴霧流リビュレット状液膜領域の伝熱特性" 日本機会学会論文集. (掲載予定).
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[Publications] 橘信仁,鳥居薫,西野耕一,北川哲也,新井達紀: "空気-水系噴霧流における液膜挙動に関する研究." 第35回日本伝熱シンポジウム講演論文集.