1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650255
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大岩 紀生 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00023341)
|
Keywords | 乱流燃焼 / 拡散火災 / 能動的燃焼制御 / 組織構造 / 音響励起 / PIV / 音と火炎の相互干渉 / 燃焼騒音 |
Research Abstract |
本研究では、二つの異なる流速の一様流の環境に切断面を下流に向けて置かれた半円柱の後流の渦構造の初期生成過程を音響的に励起し、そこに形成される乱流火炎内の組織構造との相関関係を実験的・数値的に解析することによって、流れ、火炎、外部音場および燃焼騒音の間の相互作用の詳細とメカニズムを探ることを目的としている。 本年度は、研究の第一段階として主に非反応性流れ場に着目し、(1)PIV法による半円柱後流非燃焼速度場の画像計測とその改善、(2)非燃焼流れ場の音響特性の実験的検討、および(3)新しく製作された音響的燃焼供給速度変動付加装置によって励起された拡散火災の挙動と音響感受性の把握を行なった。得られた結果は以下の3点に要約することができ、第34回燃焼シンポジウム(平成8年11月)および日本機械学会東海支部第46期総会講演会(平成9年3月)にて発表された。 (1)トレーサ粒子として低比重のエクスパンセルあるいはグラスバブルスを用い、フーリエ位相相関法と一定強度分散処理を併用した画像処理法を導入することにより、半円柱後流のカルマン渦列を伴う非燃焼流れ場の画像計測を行い、低出力の単色レーザーによるPIV法の可能性を示した。 (2)平面せん断流の場合には狭い周波数帯域で、反円柱後流の場合には広い周波数範囲で高い音響的感受性を示す。また、音響的燃料供給速度変動付加装置を用いた場合には、燃焼風洞壁面に取付けた平面スピーカによる音響励起に比して、低入力・低騒音で励起することが可能となる。 (3)組織構造火災の挙動と構造は励起法の違いによって変化せず、極めて高い時間周期性を示す。また、温度変動および燃焼音の周波数スペクトルからも白色ノイズ成分が著しく減少することから効果的な消音が可能となり、本手法が低騒音燃焼器の開発に有用な一アプローチとなる。
|