1996 Fiscal Year Annual Research Report
自動車ワイパ-に生ずる自励振動のカオス解析によるモード同定法
Project/Area Number |
08650282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
永井 健一 群馬大学, 工学部, 教授 (00110403)
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Keywords | 自動車ワイパ / カオス解析 / 自励振動 / モード同定法 |
Research Abstract |
車の雨天時走行の際,視野を確保するためワイパが用いられる.近年,窓面の液滴をはじく撥水剤の使用が増し,ワイパに自励形振動が激しく誘起されている.平成8年から9年にわたり,ワイパの自励振動発生の主原因の解明とカオス解析によるモード同定法の確立に関する研究を行っている. 1.平成8年には,主に実車に装着したワイパの自励振動実験を行った. (1)曲ガラス面上を掃引するワイパの高速度カメラによる記録を行った.主要な挙動はワイパ・アームの回転軸中心の振動とワイパ・フレームの支持部中心のピッチング形振動の連成振動であることを解明した. (2)実ワイパを回転平面ガラス面上で掃引実験を行った.ワイパ・ブレートとその支持フレームの空間断面内の連成運動とスティック・スリップ形振動現像を明らかにした. (3)上記(1)の影響を除いた二次元ワイパ-モデルを作成し,回転ガラス面で実験を行った.従来,掃引速度に依存する負の摩擦係数のもとで自励振動が発生するとされていたが,その逆の正の摩擦係数でも自励振動が発生することを解明した. これらの結果を自動車技術会講演会で報告した. 2.ブレ-ドの変形挙動がワイパ自励振動に及ぼす影響の実験を行った. (1)静荷重によるブレ-ドの変形実験と初期滑り出しの実験を行った.ブレ-ドは漸軟・漸硬の非線形ばね特性を持ち,座屈後直後の変形が最適払拭条件を作ることを明らかにした. (2)非線形変形特性を考慮にいれたワイパの数値シミュレーションを行った.それより,自励振動の発生に及ぼすばね特性の影響を明らかにした. この結果を平成9年3月に日本機械学会通常総会講演会にて学会発表する. 3.平成9年度では,ワイパ・モデルと実車ワイパの振動応答のカオス解析により自励振動に寄与するパラメータと振動モードの確定を明らかにする予定である.
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