ESPRIT手法をベースとしたオンライン動特性同定と振動制御に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08650300
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 小泉 孝之 同志社大学, 工学部, 教授 (20247795)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 辻内 伸好 同志社大学, 工学部, 助教授 (60257798)
• Keywords: 構造物動特性 / 動特性同定 / 特異値分解 / 固有値分解 / シミュレーション

Research Abstract

主たる成果は以下の如くである.
1.研究目的の基幹をなす構造物動特性の同定に関しては,部分空間法の一種であるESPRITを応用してモード分解のための理論を構築した.
2.上記理論をオンラインで実行するため,URV分解を利用した高速計算アルゴリズムを開発した.
3.シミュレーションの結果,構造物の動特性が時変である系に対して,その変化に追従して動特性を同定でき,実稼働時応答をモード分解できることが示された.
4.基本構造物として,単純梁を用いた実験を行った結果,構造物動特性の同定に関して理論値と極めて近い結果を得られ,本手法の有効性を実証できた.
5.時変でない動特性を有する系に対し,より高速に実稼働時応答をモード分解するため,一般化された射影行列を用いたモード分解法を提案した.
6.この手法を数値実験で検証した結果,最小自乗法に基づく従来の方法に比べて,精度良くモード分解が可能であることが判明した.
7.一般化された射影行列を用いるには,モードベクトルが一次独立であることが重要であるため,質量行列を必要とせずにモードベクトルの直交性検査を行える方法を提案した.
8.数値モデルから作成されたモードベクトルに対し,本手法と従来の手法を用いて直交性検査を行った結果,質量行列を求めることなく,従来と同じ直交性検査が簡易に行えることが示された.
以上の結果は,国際学会での論文発表,論文誌への投稿を継続中であり,顕著な結果が得られた.

Research Products

• [Publications] 小泉, 辻内, 松村: "Fast Identification Method of Operating Deflection Shapes" Proc. 3rd Inter. Conf. on Motion and Vibration Control. Vol.3. 502-507 (1996)
• [Publications] 小泉, 辻内, 松村: "Adaptive Identification of the ODS Based on URV Decomposition" Proc. of the 15th Inter. Modal Analysis Conference. Vol.2. 1851-1857 (1997)
• [Publications] 小泉, 辻内, 松村: "Cross Orthogonality Check Using the General Desceription of Projection" Proc. of the 16th Inter. Modal Aralysis Conference. Vol.2. 1395-1400 (1998)
• [Publications] 小泉, 辻内, 松村: "実稼働時応答の状態推定に関する研究(第2報,動特性が非定常な系への拡張)" 日本機械学会論文集,C偏. 64巻・619号(掲載未定). (1998)
• [Publications] 小泉,辻内,松村: "実稼働時応答の状態推定に関する研究(第3報,一般化された射拠に基づくモード分解法の提案)" 日本機械学会論文集,C偏. 64巻・620号(掲載未定). (1998)