1996 Fiscal Year Annual Research Report
電磁石を用いた磁場制御による磁性流体アクティブサスペンションの基礎研究
Project/Area Number |
08650347
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中川 聡子 東京電機大学, 工学部, 助教授 (70134898)
|
Keywords | 磁性流体 / アクティブサスペンション / H^∞非線形制御 / 粘性制御 / 電磁石 / 周波数特性 |
Research Abstract |
本研究は、磁性流体封入シリンダーと非線形H^∞補償器をともなう電磁石によって構成される新型アクティブサスペンションに関して展開されたものである。 一般に磁性流体の粘度特性は流体を貫く磁場の大きさに依存する。従って、この磁場を外部電磁石により変え粘性を制御すれば、電気機械システム全体のダンピング、すなわち振動特性を制御することが可能となる。 本研究は3年の期間をもって完成させる予定であるが、本年度はその初年度に当たる。本年度1年間の研究により、以下のような知見を得ることが出来た。 (1)本システムの制御に従来の線形制御理論が適用出来ないことを確認した。 (2)非線形H^∞制御理論を用いて、本システムの制御が現実に可能であるか否かの検討を行い、本理論が適用可能であることを確認した。 (3)種々の磁性流体の中から、磁場に過敏に反応しその粘性を出来る限り大きく変化させるものを選定した。 (4)選定した磁性流体に対し、濃度をパラメータとした磁場対粘性特性を測定し、システム構築に適切な流体濃度を決定した。 (5)これらの基本データから、2質量、ばね、磁性流体封入ダンパ、電磁石、制御電源および加振器よりなる電気機械システムのダイナミクスを記述し、非線形H^∞補償器の設計を試みた。 (6)非線形H^∞補償器設計に際し、周波数重み関数をパラメータとした制御効果の大小を検証し、適切な周波数重み関数を選定した。 以上、磁性流体に関する知見は電気学会研究会、全国大会、およびINTERMAG国際会議などに発表されている。また、アクティブサスペンションに関する研究成果は機械学会論文誌に掲載された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 中川ほか: "鉄道車両のためのH^∞制御アクティブサスペンションの研究" 機械学会論文誌C 2月号. 63-606. 29-35 (1997)
-
[Publications] Nakagawa Toshiko,et al: "APROPOSAL OF A NONLINEAR H^∞ CONTROL METHOD FOR AN ACTIVE DAMPER WITH A MAGNETIC FLUID BASE" Proc.of INTERMAG '97 (New Orleans). Accepted. (1997)
-
[Publications] 相楽、中川: "磁性流体アクティブダンパにおけるH^∞用重み関数の影響" 電気学会産業応用部門全国大会予稿集. No.3. 73-74 (1996)
-
[Publications] 相楽、中川ほか: "磁性流体封入型アクティブダンパの非線形制御に関する研究" 電気学会HIIC研究会. 97-21. 79-84 (1997)