1998 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波マイクロ波帯超広帯域発振益としてのコンパクトFELの研究
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08650353
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大東 延久 関西大学, 工学部, 教授 (20067549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱脇 恵章 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90030056)
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Keywords | 自由電子レーザ / ウイグラ / 相対論的電子ビーム / マイクロ波 |
Research Abstract |
一般の理工系研究室で実験できる超広帯域マイクロ波コンパクト自由電子レーザ(FEL)を目指して研究を進め,その心臓部であるウイグラーについて低エネルギー電子ビーム用として最適なウイグラーを開発した.これまでの研究実績は次の通りである.1.ヘリカル構造のソレノイド誘導型ウイグラーの開発.当初平面構造で研究を始めたが,ヘリカル構造では周期長がλw=20mm位に短くなると磁場強度は平面の場合と同等になることを見出し,λ_w=24,16mmについて磁場測定を行い,その特性を明らかした.平面の場合と違って電子ビームに集束性を有し,このヘリカルウイグラの実験研究は他の文献には見当たらない.2.CO_2レーザ加熱LaB_6陰極による電子ビーム系の設計.陰極電源の組込みが高電圧重畳のため難しく,当初は外部の電源から真空チャンバー内への電流供給を,続いて電池による内部電源方式で外部からのレーザー光照射による電流制御方式を計画したが,結局は外部からの高強度CO_2レーザー光による陰極加熱方式を採用するに至った.これは出力70WのCO_2レーザー装置が当研究室で使用可能となったためであり,真空チャンバー内の装置の簡素化,電子ビーム電流制御の容易性,高電圧の耐圧,安全性の確保が飛躍的に向上した.このため本年度予定の電子ビーム技術の確立は,その新方式の電子銃の設計に止まる結果となった.3.この装置によるFEL動作の解析.λ_w=16mmの場合,ソレノイド磁場3kG,ウイグラー磁場250Gで,ビームエネルギーE_b=111-200kcVの変化域に対して,発振周波数は15.4-37.2GHzの間,連続可変になる.またE_b=120kcV,ビーム電流I_b=50mA(P_b=6kw)で,飽和出力はP_<sat>=P_b/(4N_w)=50W(周期数N_w=30),小信号利得は0.4%となる. 以上により,本研究の目的とする超広帯域コンパクトマイクロ波FEL装置の基本的な技術基盤は確立された.今後この装置の完成に向けて努力する考えである.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.OHIGASHI,Y,TSUNAWAKI: "Observation of Spontaneous Radiation Emitted by Electron Beam Interaction with Electromagnetic Helical Microwiggler" 日本赤外線学会誌. 8・1. 37-52 (1998)
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[Publications] N.OHIGASHI,Y.TSUNAWAKI: "Development of an Electromagnetic Helical Microwiggler with Permanent Magnets" IEEE,J.of QE. 34・12. 2265-2274 (1998)
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[Publications] N.OHIGASHI,Y.TSUNAWAKI: "Studies on Solenoid Induced Helical Wiggler with Four Poles per Period" Annual Progress Report of ILE,OSAKA Univ.'98. 印刷中 (1999)
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[Publications] 大東延久,清池正人: "磁場測定におけるガウスメータプルーブ使用に関する一考察" 技苑(関西大学工業技術研究所). NO.97. 45-50 (1999)
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[Publications] N.OHIGASHI,Y.TSUNAWAKI: "Development of Solenoid Induced Helical Wiggler with Four Poles per Period" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. 印刷中 (1999)