1997 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性Baフェライト膜を用いた半導体-強磁性体ヘテロエピ構造の形成
Project/Area Number |
08650373
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
五味 学 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80126276)
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Keywords | フェライト薄膜 / ヘテロエピタキシャル成長 / 強磁性体半導体接合 / 硫黄終端化 / バリウムフェライト / スピネルフェライト / 表面酸化 / ガリウムヒ素 |
Research Abstract |
本研究の目的である良質な強磁性体-半導体ヘテロエピタキシャル構造を実現するため、今年度は、前年度の研究により明らかにされている酸化物強磁性体-半導体界面の酸化の問題を対しその抑制方法を検討することを重点課題として研究を行い、以下の新しい知見を得た。 硫化アンモニウム溶液を用いて硫黄終端化したGaAs(100)基板上に、電子ビーム蒸着により基板温度200℃、膜成長速度0.6nm/min以下で強磁性Fe_3O_4(100)薄膜がエピタキシャル成長することを初めて見い出した。この基板温度以上では、終端化した硫黄が表面から脱離するため、多結晶膜となった。上記条件で形成された薄膜(20nm)を初期層として、その上に基板温度450℃で成長されたFe_3O_4(100)エピタキシャル膜は、膜と基板の面内結晶方位関係Fe_3O_4[100]//GaAs[100]で成長し、良好な結晶性を示した。また、これらの薄膜の結晶性は、GaAs基板表面の平滑性への依存性および基板からのGa,Asの拡散の影響を解析した結果、主に膜と基板の格子不整合に支配されることが明かとなった。一方、GaAsと同様な格子定数を持つSi(100),(111)の水素終端基板上には、Fe_3O_4薄膜のエピタキシャル成長は達成されなかった。 これらの結果は、膜成長開始時にエピタキシャル情報の伝送を阻害する半導体表面の酸化を抑制するには、酸素に対し安定な最表面を形成するイオンによる終端化が極めて有効であることを示唆している。また、強磁性Fe_3O_4-半導体GaAsヘテロエピタキシャル構造が達成されたことは、Baフェライトに固執することなく、FeをCo等で置換することにより磁気異方性の強い強磁性体(CoFe_2O_4)-半導体構造を実現できることを意味し、本研究の最終目的ははぼ達成されたことになる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Gomi: "Low Pressure MOCVD of Fe_3O_4 Epitaxial Thin Films and Surface Reaction Process" J.Magn.Soc.Jpn.22・4-2. (1998)
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[Publications] M.Gomi: "Epitaxial Growth of Ba Hexaferrite Films on(111)GGG" J.Magn.Soc.Jpn.22. (1998)