1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
陳 智明 富山県立大学, 工学部, 助手 (10254236)
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Keywords | タングステンブロンズ構造 / 強誘電体単結晶 / 単結晶育成 / 電気光学効果 |
Research Abstract |
タングステンブロンズK_3L_<12>Nb_5O_<15>系単結晶を,原料組成0.342K_2O-0.175L_<12>O-0.483Nb_2O_5(融液A)と0.348K_2O-0.178L_<12>O-0.465Nb_2O_5(融液B)を用いて育成した.非コングルエント融液なので,引き上げ速度は2-3mm/hにした.良い結晶を作るためには次の要点にも注意が必要である:(1)種付けの際に種を融液に十分になじませること;(2)一度細くしぼるネッキングダウンのこと;(3)ゆっくりと結晶肩部を生成すること;(4)最後に結晶末尾を絞り込んでから融液から切り離すことである. 上記の条件で,10g程度のクラックフリーの単結晶は育成されたが,一部の結晶には解離しやすいc面に少しクラックが入っている.融液Aと融液Bからそれぞれ育成されたA単結晶とB単結晶の組成を,化学分析と電気特性で判断した結果,前者は0.31K_2O-0.14L_<12>O-0.55Nb_2O_5となり,後者は0.315K_2O-0.15L_<12>O-0.535Nb_2O_5となっている. A単結晶のキュリー温度は約370℃,電気光学定数r^T_<33>は35±5×10^<-12>m/Vであり,B単結晶のキュリー温度は約436℃,電気光学定数r^T_<33>は66±5×10^<-12>m/V,r^T_<13>は約8×10^<-12>m/Vである. 本研究では100mlの坩堝を用い,約300gの原料融液から10g程度の単結晶を育成したので,一個の単結晶内には約0.002molの組成ずれが相図から推定される.そうすると,キュリー温度は約10℃程高温側へシフトしていき,電気光学定数にも影響がでると考えられる.従って,連続チャージ法を用いる必要がある.実験に必要な二重坩堝がすでに用意し,次年度に連像チャージ法で結晶育成を行う予定である.また第二高調波発生についての研究もこれから行う予定である.
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