1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650387
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
陳 智明 富山県立大学, 工学部, 助手 (10254236)
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Keywords | タングステンブロンズ構造 / 連続チャージ育成 / 非線形光学 / 第二高調波発生 / 位相整合角 / 屈折率分散 / 光吸収係数 / 組成変動 |
Research Abstract |
引き続きタングステンブロンズK_3Li_2Nb_5O_<15>(KLN)系単結晶の育成を行った.組成0.315K_2O-0.15Li_2O-0.535Nb_2O_5の結晶の吸収端は約376nm,光透過率から求めた吸収係数は,420-800nmの範囲内に0.3cm^<-1>以下,410nmに0.5cm^<-1>,400nmに1cm^<-1>である.同結晶において25℃,60℃と100℃での可視領域の(複)屈折率を最小偏角法で測った.常光線のn_0と異常光線のn_eともセルマイヤーの分散式によくフィットしている.n_0はあまり温度に依存しないが,n_eは温度上昇に伴い大きくなる(450nmでは,25℃の2.234から100℃の2.242に変化した).屈折率分散からこの結晶は室温で461nmより長波長の第二高調波(SHG)しか得られないことが分かった.850nmの半導体レーザを425nmの青いSHG光を出すには,Nbが52mol%になるまで組成の調整が必要である. SHG実験にはNd:YAGレーザ(1064nm)を使用し,532nmの緑光が検出された.位相整合角の実測値は68°であり,計測値の63°から5°ずれている.これは,試料の組成ずれ及び局在的に温度上昇により屈折率が変化し,位相整合角がずれたと考えられる.標準試料のLiNbO_3の非線形光学常数d^<LN>_<31>と比較すると,KLNのd_<31>が約1.3倍大きい. 非コングルエント融液からの育成なので,育成中に融液組成が変化し,結晶の組成ずれが生じる.本研究では,約300gの融液から育成された15gの単結晶の組成ずれを調べたところ,わずか0.5mol%程度だと判明された.しかし,SHG実験結果から,6cm長の単結晶に対して,組成ずれが0.01mol%以下でなければならないことが分かった.そこで,現在の引き上げ装置を連続チャージ装置に改造した.育成中に固化された結晶の分に相当する原料を連続的に投入し,融液の組成がキ-プできた.この方法で育成された単結晶は,組成のずれがあまりないことが分かった.
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Research Products
(1 results)