1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 成司 大阪府立大学, 工学部, 助手 (60202529)
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Keywords | ポリシラン / 配向 / 秩序-無秩序 / キャリア輸送 / 移動度 / トンネリング |
Research Abstract |
電圧を印加した櫛形電極上にポリシランのトルエン溶液を滴下し乾燥させる方法(電界配向法)にて,約20種類のポリシランの薄膜を作製し,それらの配向性を調べた.その結果,側鎖にシクロヘキシル基を持つポリシラン,またペンチル基やヘキシル基などの比較的長鎖の直鎖アルキル基を持つポリシランが良く配向することを見出した.その内,poly (cyclohexylmethylsilane) (PHMS)について偏光顕微鏡像,偏光紫外吸収特性,偏光ラマン法でポリシランのコンフォメイションや配向特性を調べ,配向機構について検討を行った.PHMSの配向特性は電界強度と温度に敏感であるが,配向の要因として,PHMSの誘電率異方性や側鎖基の相転位の他,電極材料のAl,基板のガラスとポリシラン溶液との間に働く界面張力の重要性が明らかになった. この成果を基に,ポリシラン溶液と基板界面の界面張力を制御したディッピング法を考案した.この方法は,一定の風量下で溶液から基板を引き上げるもので,容易に大面積の配向膜を作製することができるという特徴を持つ.この方法により作製したPHMSの均一な高配向膜の光導電性の異方性を測定し,移動度が,無配向状態に比べ,配向方向に約1桁向上し,配向に垂直な方向に1桁以上低下することを確認した.この変化についてはキャリアの実ホッピング長と有効ホッピング長の異方性を考慮した解析にて定量的に説明した.現在,さらに,poly (di-n-pentylsilane)およびpoly (di-n-hexylsilane)についても実験を進め,主鎖のみならず偏光赤外吸収特性により側鎖基の配向状態を調べるとともに,過渡光電流特性から配向のキャリア輸送特性への効果について調べている.
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Research Products
(1 results)