1997 Fiscal Year Annual Research Report
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08650388
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 成司 大阪府立大学, 工学部, 助手 (60202529)
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Keywords | ポリシラン / 配向 / 秩序-無秩序 / キャリア輸送 / 移動度 / ホッピング / コンフォメイション / サーモクロミズム |
Research Abstract |
一定風量下でポリシラン溶液から基板を引き上げるディッピング法(前年度の成果)により,多くの側鎖基の異なるポリシランについて配向膜の作製を試み,その配向特性およびキャリア輸送特性を調べた.特に,(c-HexSiMe)_n,(n-Hexyl_2Si)_n,(n-Pentyl_2Si)_nは非常に良く配向した.これらのシリコン主鎖の配向方向は引き上げ方向に対して垂直で基板面に平行である.前二つは顕著な偏光赤外吸収スペクトルの異方性を示し,側鎖が主鎖に対して垂直面内に配向していることが明らかになった.また,トランス構造をとる(n-Hexyl_2Si)_nでは,Si-Cの振動の異方性も明確に観測できた. 過渡光電流波形の解析から,(c-HexSiMe)_nと(n-Hexyl_2Si)_nの配向膜の膜厚方向のキャリア輸送能が無配向膜に比べて低下する(主鎖間のホッピングが支配的になるため)が,ホッピングサイトのポテンシャル揺らぎや位置の乱れが減少することを確認した.一方,(n-Pentyl_2Si)_nにおけるキャリア輸送特性への配向による影響は室温では少ないが,コンフォメイションが変化する250K以下の低温で極めて顕著になることが明らかになった.低温では配向によって,ホッピングサイトの位置的乱れは消失し,ポテンシャル揺らぎが極めて小さくなった.また,キャリア輸送能が増大した.これは無配向状態でも主鎖が基板に平行に層を形成していて主鎖間の波動関数の弱い重なりがあったものが,配向により強くなったためと考えられる.これらの結果から,何れのポリシランでも配向膜では,主鎖方向の正孔のドリフト移動度として無配向膜より3桁程度も大きい〜10^<-1>cm^2/Vsを見積もることができた. 現在,液体He温度から室温までの光電気伝導率の一部データの蓄積と整理および解析が残っている.これが完結すればキャリア輸送機構の理解がより深まる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshikazu Nakayama: "Temperature-Dependent Electrical Orientation of Poly (cyclo hexylmethylsilane)" Jpn.J.Appl.Phys.35・10A. L1284-L1286 (1996)
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[Publications] Y.Nakayama: "Electric Conduction in Oriented Polysilane Films" Solid State Communications. 100・11. 759-762 (1996)
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[Publications] Y.Nakayama: "Hole Transport in Oriented Polysilane Films" Abstract of 17th Int.Conf.on Amorphous and Microcrystalline Semiconductors. 97-97 (1997)
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[Publications] Yoshikazu Nakayama: "Carrier Transport in Oriented Polysilane Films" Proc.of NIP13 : Int.Conf.on Digital Printing Technologies. 207-210 (1997)
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[Publications] 中山喜萬: "ジペンチルポリシラン配向膜のサーモクロミズムとキャリア輸送" 第80回電子写真学会研究討論会予稿集. 9-12 (1997)