1998 Fiscal Year Annual Research Report
固相拡散によるシリコンウェハ内への浅いpn接合の低温における形成方法の確立
Project/Area Number |
08650411
|
Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 豊 日本工業大学, 工学部, 助教授 (10168213)
|
Keywords | 固相拡散 / シリコン / 不純物 / 低温プロセス |
Research Abstract |
本研究の目的は、シリコンウェハー内に低温でpn接合を形成することにある。昨年度までに、光照射による加熱中のシリコン中の不純物の増速拡散を利用すると600℃以下の低温でpn接合形成が可能であること、及び有効な光の波長は1.0μmより短いところにあること等が明らかになった。今年度は、光源を換えることによって、効果のある波長に対する検討をさらに進めた。また、不純物の濃度を低くすることによって、より厳密な増速拡散の定量化を行うとともに、増速拡散のメカニズムについて検討した。その結果、以下の知見が得られた。 1. 低圧水銀ランプと超高圧水銀ランプからの光はほとんど効果がなかった。つまり、紫外線は効果がないことが分かった。昨年度までの結果を考え合わせると、増速拡散に効果がある光の波長は0.6〜1.0μmであるという結論に達した。 2. 光照射下での低濃度の拡散において、拡散係数を求め、増速拡散の定量化を行った。 3. 拡散させる不純物の濃度を低くすると、光照射による不純物の増速拡散は大きくなることが分かった。シリコン中に拡散させる不純物濃度を低くするには、シリコン表面に付着させる不純物拡散源中の不純物濃度を低くする。そのため、拡散源中での光の吸収が弱くなり、光は膜中をあまり減衰することなく透過して拡散源とシリコンの界面まで到達する。そのため、増速拡散効果が大きくなったものと考えられる。このことは、光が増速拡散を生じさせていることを間接的に裏付けているとも解釈できる。
|