1996 Fiscal Year Annual Research Report
冗長二進符号による高速・高精度信号処理システムの開発
Project/Area Number |
08650478
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮田 武雄 茨城大学, 工学部, 教授 (10106742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚元 康輔 茨城大学, 工学部, 講師 (90171975)
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Keywords | 冗長二進符号 / 加算器 / 乗算器 / A-D変換器 / 電流モード回路 / プラズマディスプレイ |
Research Abstract |
冗長二進符号(以下RBCと略す)を用いた高速・高精度な信号処理システムの実現のため,高速RBC乗算回路の構成とアナログ-RBC変換回路を提案した。また、RBC信号処理システムの応用として、プラズマディスプレイの駆動方式の改善方法について検討した。 まず、乗算器の高速化を目的とする符号変換器を用いたRBC乗算回路を提案した。この符号変換器は、RBCの冗長性を利用して乗数の符号を0を多く含む符号に変換し、部分積の数を減らすことで乗算の高速化を図るものである。提案した変換器を用いることで、N桁の乗数を0の桁の数がN/2以上となるような符号に変換でき、従来の乗算回路の2倍の高速化が実現可能であることを示した。 次に、アナログ信号を直接RBCに変換できるアナログ-RBC変換器を提案した。これは、RBCの冗長性を活かしてA-D変換器の精度改善を図るものである。回路構成としてカレントミラーを用いた電流形の変換回路を提案し、個別部分を用いた試作実験により変換動作と有効性を確認した。 さらに、RBC信号処理システムの応用例として、プラズマディスプレイの駆動方式への応用を検討した。従来の駆動方式であるサブフィールド法は発光時間をバイナリ制御で行っていたが、これに起因した画面のちらつきが問題となっていた。この発光時間の制御にRBCを応用することで、画面のちらつきを抑制する発光パターンが実現でき、LEDを使用したモデルにおいて実験的に有効性を確認した。
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[Publications] 塚元康輔: "アナログ-冗長二進符号変換器の一構成" 電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 310-310 (1996)
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[Publications] 松本一人: "プラズマディスプレイの駆動方式に関する一検討" 電気学会論文誌C. 116・10. 1188-1189 (1996)
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[Publications] 沢畠勝憲: "RBC論理回路の一構成" 電気学会東京支部茨城支所研究発表講演予稿集. 157-157 (1996)