1997 Fiscal Year Annual Research Report
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08650479
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Research Institution | SUZUKA UNIVERSITY OF MEDICAL SCIENCE |
Principal Investigator |
奥山 文雄 鈴鹿医療科学技術大学, 医療画像・情報研究科, 助教授 (70134690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 徹朗 鈴鹿医療科学技術大学, 医療画像・情報研究科, 教授 (40241153)
八名 和夫 法政大学, 工学部, 教授 (50138244)
所 敬 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013865)
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Keywords | 映像 / 生体 / 調節 / ピント調節 / 輻〓 |
Research Abstract |
眼の輻湊とピント調節の視覚機能から、両眼視差を利用した二眼式立体映像システムを評価する方法について検討した。二眼式立体映像システムにはパララックスバリア方式立体映像装置を用い、立体映像を提示した時の調節応答と輻湊を測定し、また、LED実視標を提示した時の調節応答と輻湊を測定して、両者を比較した。得られた結果は以下の通りである。 立体映像と実視標で調節と輻湊を比較すると: (1)立体映像の提示、実視標の提示において、調節と輻湊はほぼ同時に生じ、相互に密接な関係を保ちながら応答した。すなわち、調節と輻湊間には従来言われているアンバランスな応答はなかった。 (2)立体映像提示においては、調節には過渡応答のオーバーシュートや不安定性などの特徴があった。しかし、実視標ではこのような現象は見られなかった。 (3)輻湊には、立体映像提示と実視標提示の条件で差が認められなかった。 (4)調節と輻湊の応答量は立体映像とLED実視標の間に大きな差異はなかった。 (5)両眼視差は小さい場合には、調節応答と輻湊応答はほぼ立体映像の再生位置にあった。 したがって、調節はその応答量、過渡的な応答や安定性を尺度として、立体映像を評価する方法となる可能性を見出した。しかし、輻湊は立体映像と実視標で差がないため、評価の方法としての可能性は少ない。 また、正確には,二眼式立体映像と実視標に対する調節と輻湊に生じた差異が映像呈示方式によるものか、呈示映像の品質(解像度、画角など)によるものか区別できない。今後、映像条件による違いや個人差などを検討する必要がある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 奥山文雄、所 敬、山田晃弘、金谷経一: "立体映像と人間の視覚機能" 3D映像. 10・1. 4-9 (1996)
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[Publications] 奥山文雄、八名和夫、池田貴司、小山田健二: "立体映像による眼の調節と輻輳" テレビジョン学会技術報告. 20・24. 13-18 (1996)
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[Publications] K.,Niwa, Y.,Yoshino, F.,Okuyama, T.,Tokoro: "Effects of tinted interocular lens on contrast sensitivity" Ophthal.Physiol.Opt.16・4. 297-302 (1996)
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[Publications] 奥山文雄: "3次元映像の視覚特性-立体映像における調節と輻輳-" 第3回Hodic講演会講演論文集. 41-46 (1996)
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[Publications] F.,Okuyama, T.Tokoro, T.Yamada, T.Ikeda: "Human Visual Accommodation and Vergence Eye Movement While Viewing Parallax Barrier Type Stereoscopic Display" Procceding of The Third International Display Workshops,. 513-516 (1996)
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[Publications] 黄和玉、伊藤睦子、丹羽一司、奥山文雄、所 敬: "瞳孔径が調節のステップ応答に与える影響" 視覚の科学(日本眼光学学会誌). 17・2. 61-65 (1996)
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[Publications] 奥山文雄: "「3次元動体視力計」 眼科診療Q&A 第1巻 p23-2〜23-5" 六法出版社, (1997)
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[Publications] 奥山文雄(分担): "「3次元映像の生体影響総合評価システムの開発に関するフィージビリティスタディ」報告書" (財)機械システム振興協会,