1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650486
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Research Institution | TOYOHASHI UNEVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
臼井 支朗 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 斉己 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (70233963)
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Keywords | 網膜 / 視細胞 / 水平細胞 / 双極細胞 / 3色LED / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
本研究は,網膜神経回路の情報処理の各ステージ、すなわち、視細胞層、水平細胞層、双極細胞層等の神経活動を実時間並列・可視化する手法を確立すると共に、網膜の情報表現、伝達、処理の過程を解析することを目的として進めた。 昨年度は、カラーディスプレイを用いた多入力高頻度刺激法を確立し、開発手法によって網膜水平細胞の受容野、すなわち、空間特性の非線形性の抽出に成功した。そこで、本年度は、時間的な特性を解析するため、高速な時間制御が可能な赤、緑、青の3色LED刺激によるダブルフラッシュ応答を水平細胞より、記録、解析した。その結果、水平細胞には、時間及び色に関する時間的な非線形成分が存在することがはじめて明らかとなった。また、こうした非線形性は、視細胞と水平細胞間のシナプス結合に由来することが示唆された。 こうした網膜神経細胞の応答生成及びシナプス伝達には、細胞内カルシウムイオンが重要な役割を果たしている。昨年度、視細胞を対象に細胞内カルシウム濃度の測定技術を確立し、その基本特性を解析した。本年度は、こうして測定された濃度データを定量的に解析するため、細胞内カルシウム機構の数理モデルかを進めた。提案モデルは、カルシウムの流入、排出、結合、ストア等の機構を含み、細胞内カルシウム濃度の時空間特性を記述したものである。その結果、細胞応答やシナプス伝達に関わる細胞内カルシウム濃度変化を可視化が可能になると共に、実験的に得られたカルシウム濃度変化の定量的解析を行えるようになった。 今後は、本研究で確立した手法をベースに、網膜神経回路全体の情報処理様式の詳細な解析を進めていく予定である。
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[Publications] 研宏幸: "網膜水平細胞へのシナプス性入力信号の空間特性解析" 電子情報通信学会論文誌. J80-D-II. 1939-1946 (1997)
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[Publications] Kawai,F、: "Desenitization of the GABA(A) receptor shifts the dynamic range of retinal horizontal cells due to light and dark adaptation" Japanese Journal of Physiology. 47.5. 417-429 (1997)
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[Publications] 石原彰人: "網膜双極細胞のイオン電流モデル" 電子情報通信学会論文誌. J80-D-II. 3181-3190 (1997)
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[Publications] Usui,S.: "Physiological engineering model of the outer retina" ICNN‘97. 4. 2309-2314 (1997)
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[Publications] 藤川智博: "網膜RIG型水平細胞のダブルフラッシュ応答解析" 電子情報通信学会技術報告. MBE97-120. 67-74 (1997)
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[Publications] 石井宏幸: "コイ網膜水平細胞層における刺激依存症受容野の解析" 第12回生体・生理工学シンポジウム論文集. 289-292 (1997)
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[Publications] 臼井支朗: "脳・神経システムの数理モデル" 共立出版, 167 (1997)