1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
町 好雄 東京電機大学, 工学部, 教授 (20057219)
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Keywords | 集中状態 / 前頭葉 / アルファ波 / 站椿功 / 気功麻酔 / 自律神経系 / 呼吸 / 書道 |
Research Abstract |
人間が何かをしようとして集中した場合、大脳がどのように働くかは興味深い。集中した状態というのは色々な場合が考えられるが、平成8年は健康法として行われている気功の中で立って行う座禅と云われる站椿功を多くの方の協力を得て実験を行った。この場合、全く動きがないにもかかわらず、心拍数が上昇することがわかった。このことは自律神経系の交感神経が刺激されて上昇していることが推定でき、これを実現するには下腹部で行う丹田呼吸が原因であった。気功前の安静閉眼時、後頭葉にアルファ波が現れることは多いが、気功中にアルファ波が前頭葉に移動すること。あるいは両前頭葉の電位が上昇する場合、左右の前頭葉のどちらかが強くなることが認められた。 次に他人に気を与える外気功で、最もハイレベルと考えられる気功麻酔について測定する機会を得た。すなわち、外科手術を受ける患者に気で麻酔をかけられる中国人気功師(上海中医薬大学付属研究所教授でこの先生のみができる)と患者役をした健常な人物の両者の生理的な測定を行った。この実験では気を送るため大変な集中していることが考えられる。気功師の脳波トポグラフィをみると、気功麻酔中アルファ1波で前頭葉に強い電圧の上昇が見られ、ベータ波は見られなかった。患者は気を受けると頭全体にアルファ波が広がるが特に前頭葉でその強度が増加が見られた。 次に書を書く場合の実験も行った。書を書く直前にFzの位置の電位が上昇し、次に前頭葉の電位が上昇し、その後、視覚野に移っていくことから、書く気になってどのように書くか視覚野が働くものと考えられる。この場合は心拍数はほとんど上昇しないが、血圧が急激に上昇しており自律神経系が影響を受けていることが判った。 来年度以降もさらに測定データを増やして集中した場合の大脳の働きを調べていきたい。
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[Publications] 町 好雄: "Physiological Measurement for Qi-gong Anesthesia" J.of International Society of Life Information Science. Vol.14,No.2. 129-152 (1996)
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[Publications] 町 好雄: "透視における人体の生理" 人体科学会誌. Vol.5,No.1. 27-37 (1996)
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[Publications] 町 好雄、劉 超、吾 人照: "Physiological Measurements for the Static Qigong "Xiao Zhou Tian"" J.of International Society of Life Information Science. Vol.15,No.1. 200-208 (1997)
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[Publications] 町 好雄: "気は脳の科学" 東京電機大学出版部, 196 (1996)