1996 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム粒子による電磁波の多重散乱効果の評価と高精度レーダへの応用
Project/Area Number |
08650515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伊藤 繁夫 東洋大学, 工学部, 教授 (30223150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 知宏 関東学院大学, 工学部, 教授 (20233489)
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Keywords | ランダム媒質 / レーダ / 散乱 / 降雨 |
Research Abstract |
ミリ波以上の電磁波による降雨レーダでは,受信レーダ信号に多重散乱の影響により,従来の単一散乱にお基づくレーダ方程式による降雨の物理パラメータの推定には、誤差がかなり大きくなると予想されている。本研究ては,この多重散乱効果の評価とレーダの精度向上のため,直線偏波入射に対して,後方散乱パルス波に含まれる2次の多重散乱で生ずる交差偏波の解析を行った。解析の手法としては,時間因子を含む放射伝達方程式を基本式として用い,有限長スラブ幅の一様な降雨に対して,まず,2次のインコヒーレント散乱解を導出して,導出された表式の数値計算を行った。その結果,2次の多重散乱を考慮することにより,球形の降雨粒子に対しても交差偏波が生じ,特に使用する周波数が高いほど多重散乱の効果が顕著になり,また,直線偏波の交差偏波の同相成分に対する比は,降雨の後方のスラブ境界からのレーダー信号において,急激に増加することが示された。次に,雨滴となる球体をポリフォーム中に3次元的にランダムに配置する事により,室内に模擬降雨を作成した。この模擬降雨に搬送波周波数16.5GHzでパルス幅が0.3nsecの直線偏波のパルスを入射し,球体の体積密度を変化させて,散乱実験を行い,ネットワークアナライザを使ってデータを取得した。これらの降雨モデルに対しての実験結果と理論値と比較を行ったところ,非常に良い結果が得られたので,成果の一部をまとめ,IEEEに投稿した。
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Research Products
(1 results)